第27回(2006.01.14更新)

「ほんとにあった怖い話」の話

 

「ほんとにあった怖い話」は、2004年1月10日(土)午後7時(午後3時からはプロローグ版放送)からフジテレビ系にて放送された番組で、スマップの稲垣吾郎と小学生が「ほん怖クラブ」なる心霊研究クラブを作り、視聴者から送られてきた心霊写真や恐怖体験談を紹介するもの。(※2004年2月25日にジェネオン エンタテインメントよりDVDリリースされた「ほんとにあった怖い話 完全版」とは違う。)

霊能者がどうとでも見える心霊写真をさもありげに鑑定するなどは、かなりうさんくさかったが、視聴者から送られてきた恐怖体験談の再現ドラマ、これが強烈に怖かった…。不条理系、都市伝説系、学校の怪談系、貞子系、伽椰子系、いい話系ありで大いに楽しめたのだ。
最近では単発のスペシャル番組として放送しているが、それも含めてすべての放送回の恐怖体験談ドラマをDVD録画保存しております。(と、ちょっと自慢…)

で、自分的にかなり怖かった話ベスト特集。

●「訪問者」 2004年10月18日(月) セカンドシーズン放送
脚本/新田隆男、演出/鶴田法男・後藤博幸
老婆が家に訪ねてくるだけの約4分弱のショートストーリーだがインパクト有り過ぎ。「たずねてきました…」と連呼する老婆には、背筋も凍るリアルな恐怖を感じた…。

●「怪音寮」(かいおんりょう) 2004年9月7日(火) 夏の特別編放送
脚本/高木登・三宅隆太、演出/澤田鎌作
畳に残った引っ掻き傷のような跡、深夜2時になるとドンドンと響く物音。会社の女子寮で女子社員が体験する恐怖を描く。壁からズルズルと這い出てくる幽霊は、伽椰子系マニアにおすすめ。

●「幽霊物件」 2004年10月18日(月) セカンドシーズン放送
脚本/高木登・三宅隆太、演出/星野和成
「怪音寮」と同じくアパート物の怪奇譚。格安アパートを借りた男にふりかかる恐怖。ラストには、ビビらされた。こちらは貞子系マニアにどうぞ。「訪問者」と同じ放送日だった。

●「幻燈の下で」(げんとうのしたで)  2004年3月6日(土)放送
脚本/佐藤太喜、演出/鶴田法男
自転車に乗った兵隊服姿の男が薄笑いを浮かべながら、少女に、おいでおいでをするシーンは、鳥肌ものの不気味さだ。心理的にも視覚的にも怖い怪奇な一篇だ。

●「黄泉の森」(よみのもり)  2004年4月3日(土)放送
脚本/清水達也、演出/三宅隆太
自殺の名所を訪れたカップルが体験する恐怖。逃げようとする車のフロントガラスにびっしりとへばりついた幽霊の描写が怖い。
ちなみに、清水崇監督が最新作「輪廻」で思いっきりパクッてました…。

●「真夜中の招待状」 2005年1月24日(月) セカンドシーズン放送
脚本/武藤大助、演出/鶴田法男
とあるホテルに泊まった三人の女性。真夜中、清掃員風の老婆が「起きなさいよ…、起きなさいよ…」と囁き、「これをあげよう」と封筒のようなものを手渡そうとするが…。不気味なイメージが印象に残る怪奇譚だ。

●「別荘ニテ待ツモノ」 2004年11月29日(月)2時間スペシャル放送
脚本/清水達也、演出/鶴田法男
毎晩同じ夢をみる男が、その夢と同じ場所と状況の別荘で体験する恐怖。貞子系ジャパニースホラーとして、かなり見応えのある作品だ。

●「廻る足音」 2005年1月31日(月) セカンドシーズン放送
脚本/玉城悟、演出/三宅隆太
人のいない河原でキャンプをする父子。深夜、テントの周りを廻るように歩く足音で目が覚めるが、外に出てみると誰もいない…。
そして、テントに戻るとまた足音が聞こえ始め、徐々に足音は近づいてくるようだった。心理的な恐怖がジワジワとくる一篇だった。

●「真夜中のサイレン」 2004年12月13日(月) セカンドシーズン放送
脚本/小林靖子、演出/鶴田法男
救急病院近くで下宿生活を始めた女性が、怪しい物音と部屋の中を横切る不気味な人影を見るようになる…。そして、救急車のサイレンの音が鳴る中、寝返りを打った彼女が見たものは…。ジワジワと迫る怪異現象とラストのショック演出が冴えた一篇。

●「死神」 2005年8月23日(火)夏の特別編2005
脚本/玉城悟、演出/鶴田法男
主演に有名人を起用し「世にも奇妙な物語」風な展開となったスペシャル版。「乗せて…ください」、「心霊写真」、「黒髪の女」、「格安物件」、「死神」と、どれも印象深い怪奇譚だったが、特に、武田真治演じる入院患者に不気味にまとわりつく死神を描いた一篇は秀逸だった…。

その他、病院系の「病棟の夜」、「とり憑かれた入院患者」、「憑かれた病院」、「死者のゆく場所」。
「呪怨」の俊雄くん系の「トンネルの中の少年」、「行きずりの紊乱者(びんらんしゃ)」。
学校の怪談系「教室の幽霊」、「放課後の恐怖」、「近づく足音」。
笑福亭笑瓶がラジオ収録の際に体験した恐怖「オバケじゃないもん」、ダチョウ倶楽部の寺門ジモンがなにげに幽霊と遭遇する「霊を招く波長」。
都市伝説系「メリーさん」(※プロローグ版として放送)、「死ねばよかったのに」、「見えない住人」などなど…。
その怖さのバリエーションはまだまだ挙げだしたらキリがない程だった。

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実は…
今思えば、私も一度だけ、それらしき体験をした事があります…。
中学生の頃ですが、東京新宿の紀伊国屋書店の前、地下道からの階段を上がって路上にでてすぐ左に曲がったその角に"白い服を着た髪の長い女性"が、青白いというか緑青色の顔でひっそりとたたずんでいたのです…。

一瞬ギクッとしましたが、きっと映画の撮影かアングラ劇団(古ッ…)か何かの催しだろうと思って、なにげに横目で見るような、見ないような感じで通り過ぎたのですが、何かすごくイヤ〜な感じがしました…。

そして、通り過ぎた後、妙な事に気づきました…。
確か、日曜の晴れた午後で、周りは歩行者天国だったと思いますが、かなりの人通りがあったにも関わらず、行き交う人々が、だれも、自分の背後にいるはずのその白い服の不気味な女性に、リアクションを示す事もなく、何も気に留めていないようなのです…。
おかしいな… と思って、すぐに振り返ってみたら、すでに、そこには誰もいなかった…。
その間、わずか数秒の事…。

何だったのだろう、あれは…? と、今でもずっと不思議に思っていますが、やはり人知の及ばぬ何かというのは存在するのでしょうか…。
これは絶対に作り話ではありません。私の「ほんとにあった怖い話」なのです。

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