■ワンポイントDVDチェック
●THE EYE アイ…2001年香港・タイ作品。香港題名「見鬼」(幽霊が見える人)。
監督・原案・脚本・編集のオキサイドとダニーの双子のパン兄弟が、14年前、タイで角膜手術を受けた16歳の少女が、その1週間後に自殺したという新聞記事をインスピレーションとして製作したスリラーホラー。
アジアンテイスト風「シックス・センス」だが、画面に漂う怖さはかなりのもの。特に中盤のエレベーターでのねちっこい恐怖演出は、試写会場で退場者続出という宣伝文句もあながち嘘とも思えない程の怖さだ。
ミステリー的な展開の後半は恐怖は薄れるが、映画の根本に流れる試練に立ち向かい新しい自分を見つけるというテーマ性が、より浮かびあがる。これは、繊細な中にも、内に秘めた強さを感じるマンを演じた主演のアンジェリカ・リーの魅力による所も大きい。
人の心の弱さ、優しさ、そして痛みを感じる、余韻の残るエンディングが心地良い。初回限定豪華スリーブ仕様。通常チャプターと幽霊チャプター付。60分の特典映像付。
そういえば、フランキー堺と有島一郎が主演した死神が見える男を描いた1960年のスリラーコメディー「幽霊繁盛記」が見たいな〜、って関係ないか…。(2003/11/1)
●ボイス/特別版…韓国映画史上最恐のホラー映画というフレコミだが、どう考えても、ホラーホラーした宣伝手法は、この映画を楽しむポイントを外していると思うが…。
白目をむいたエクソシスト少女、まとわりつく黒髪といったホラー映像的な怖さよりも、呪いそのものの謎解きに重点を置いたホラーミステリー。
製作・監督のアン・ビョンギは、過去のホラー映画をかなり参考にしたそうだが、その中でもやはり「リング」の影響が大きいのだろう。呪いの携帯番号の謎を探る主人公の行動からしてそうだが、何かがそこにいるような気配感、神経を逆なでするような効果音の入れ方など、かなり研究・引用している。
狂おしいばかりの恋の破局、悲しいラストを暗示するベートーベンの月光・ソナタが印象的。
日本ではかなり覚えやすいネーミング、トイレット・ピクチャーズ制作。
断崖絶壁のシーンが唐突に挿入されるが、これもやはり日本のサスペンスドラマの研究の成果だろうか?(2003/10/19)
●エネミー・ライン<特別編>…2001年作品。2002年9月1日リリース初回生産限定パッケージ。ジョン・ムーア監督。オーウェン・ウィルソン、ジーン・ハックマン主演。
敵陣営に不時着したクリス・バーネット大尉のたった一人の脱出劇。地味な印象を受けるキャスティングではあるが、アクション映画としては文句なしの面白さ。執拗な追跡を、気転を利かしてくぐりぬけていく展開は脱出・脱走物の醍醐味を充分に味わえる。
アメリカ国防総省の全面協力だけあって戦闘シーンも迫力もの、アメリカのエンターティメントパワーの底力を感じる。未公開シーンも有りの映像特典付。
初回生産限定の紙パッケージのシールは、オーウェン・ウィルソンの顔をまるごと隠して、モンスターズ・インクのマイク状態。
中ジャケットには、ばっちり写っているから別にいいんですけどね…。
シュリンクを破らない派にとっては、そんなどうでもよい事でも、妙に気になります。(2003/9/23)
●呪怨 劇場版/デラックス版…近づく者を手当たり次第に呪殺する伽椰子と俊雄は、もはや呪いのターミネーター。極めつけは「東海道四谷怪談」へのオマージュか、必殺仏壇返し。初回限定版の特典ディスクのピクチャーディスクがえらく怖い…。
理佳の友達、真理子が、小林俊介と同じように家庭訪問に現れるシーンは、かなり謎だっだが、「時空のねじれ」、説明のつかない超常現象の一種ということらしい…。
「最強伝説呪怨」という雑誌のオリジナルDVD内でも、この事を語ってますが、清水崇監督ちょっと出過ぎ…。
それにしても「学校の怪談G」内の短篇「片隅」(3分12秒)と「4444444444」(2分51秒)で見る事のできる、唐突で意味のわからない、伽椰子と俊雄の異様な初登場シーンが脳裏に焼き付いて離れない。かなり爬虫類に近い伽椰子はすごい迫力。俊雄(澤田大城)もこの短篇が一番不気味だ。
OV版DVDをボックス化した「呪怨箱」も、あっと言う間に完売。
封入されているDVD自体は型番含めてまったく同じだったが、封入特典の呪怨の重要なアイテムである伽椰子の日記欲しさに購入。さらにその日記の袋綴じが、もったいなくて切れないので、さらにもう1個お買い上げ。なんと粘着質なタイプなんだろうか、私は…。完全に伽椰子入ってます。(2003/9/12)
●たそがれ清兵衛…かつて黒澤明が描こうとして、そのあまりの資料の無さに映画化をあきらめたという平侍のリアルな一日。特典映像内でも紹介されているように、山田洋次監督は、このエピソードに創作の刺激を受け、その困難にあえて挑戦した。
そして、幕末といえども決して今の時代とも日本人の根本は変らないという考えのもと、綿密な時代考証に基づいた日常生活を丹念に描き、幕末の名もなき五十石の平侍、井口清兵衛を私達の前に登場させた。
清兵衛の立身出世を願いながら、貧乏のまま労咳を患い死んでいった生前の妻と、欲が無く、世渡り下手で出世のならない清兵衛との、微妙なすれ違いを、朋江との縁談話の中で浮かび上がらせるなど、徐々に清兵衛の生き様を明らかにしていく山田洋次監督。
幕末という大きな時代の移り変わりを背景に、武士の時代が終わる事をうすうす感じている清兵衛。それでも、藩命により、愛する者のために命をかけて果し合いに挑まねばならなくなった清兵衛と、同じように苦渋をなめ、いわれのない切腹を命じられた余吾善右衛門との、不条理な果し合いが虚しい。
全編を綴る、成長した娘によるノスタルジックなナレーションが効果的だ。
宮沢りえ、二人の子役など、脇役がみな素晴らしいが、特筆すべきは余吾善右衛門役の田中泯(世界的な舞踏家らしい…)。終始、眼だけを妖しく光らせるアンダーな照明で、不気味な存在感を示す中盤の登場シーン。そして、クライマックスの這いずるような断末魔のあえぎは斬新で強烈な印象を残す。
あっという間の129分。「雨あがる」「どら平太」といった近年の時代劇と比べても、作品的にはやはり一枚上であろう。(2003/7/27)
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●Returner/リターナー…デラックスエディション 初回生産限定2枚組。
ミヤモト(金城武)は、裏取引で使われたブラックマネーを取り戻す凄腕の仕事屋。タイトルは、この仕事屋「リターナー」とはまた別の、伏線的タイトルとしても意味付けられている。
過去のハリウッド映画の素材をかなり引用してはいるが、全体の構成の妙や気の利いた伏線など、練り上げられた脚本で、かっちりとした作品を撮りあげた手際の良さはなかなかのもの。
ミヤモトとミリ(鈴木杏)とのコミカルなやりとり、情報屋(樹木希林)から裏の仕事を依頼されているらしい事など、どこか「傷だらけの天使」や「探偵物語」が持っていた匂いを残しつつ、ハリウッド的なスケール感をだす事に成功した和製SFアクション映画だ。
が、どうしても、元ネタに眼がいってしまうのは悲しい所。適度な隠し味も効いていて、充分満足感を味わえるが、結局、素材は残り物。これが、もし、鮮度の高いとれたての素材を使用していたら、ハリウッドが放っておかないのだが…。器用貧乏で終わるか、大化けするか、若き山崎貴監督の次回作に大いに注目・期待したい。
冒頭の人身売買のシーン、岸谷五朗扮する溝口の戦慄的な悪役描写は、まさに悪魔!
特典ディスクに収録されている、宮本はいつ爆弾を仕掛けたのか?もうひとつのエンディング、リターナー2(?)など、裏話的エピソードがユニーク。(2003/6/16)
●火山高…12001年韓国作品。監督キム・テギュン、主演チャン・ヒョク。
暴力と覇権争いにあけくれる無法学園「火山高」に、8回の退学の末に現れた転校生、とてつもないパワーを秘めたその名はギョンス。
全編劇画チックに貫かれたオーバーアクト、華麗なワイヤーアクション、ド派手な「気」の波動対決。冒頭からバリバリのフルスロットル状態だ。
なんとか卒業しようと、おとぼけキャラで身をかわし、耐えに耐えるキム・ギョンス。敵キャラだが憎めない熱い男チャン・リャンと、ヒロイン「氷の宝石」ユ・チェイの危機を眼前にし、遂に起ちあがるキム・ギョンス!これこそ燃えるシーンだ!
罠に落ち、牢獄に囚われたソン・ハン二ムから受けた新たな力とともに、燃えつきるまで、闘え!闘うのだ!
白竜似の学園鎮圧教師5人衆のリーダー、マーの不敵な悪役ぶりは「処刑教室2」のターミネーター教師のようで不気味。
武術秘伝書「師備忘録」をめぐる争いというのが、実は、荒唐無稽な超能力合戦を、納得させる隠し技になっている事も忘れてはいけない。これは、ケンカではなく、崇高な武術。極めたものは空でも飛べるのだから。
初回限定版は、韓国オリジナル版収録の特典ディスク付。韓国オリジナル版(122分)には、スパイダーマンのように逆さまに現れ、色仕掛けでラグビー部へ誘うヨウマ、キム・ギョンスとマーとの過去の確執を明かすシーン、火山高ナンバーワンを狙うチャン・リャンと学園鎮圧教師5人衆との酒場でのやりとりなど、日本公開版(108分)でカットされた約14分が収録されている。
見比べると、ストーリー上、くどいと思われるシーンを削除し、文字解説をより劇画風に変え、音楽を新たにしたバージョンが日本公開版だという事がわかる。(2003/6/11)
●穴 LE TROU…1960年フランス作品。監督ジャック・ベッケル、主演ジャン・ケロディ、フィリップ・ルロワ。
脱獄物の古典的傑作。
穴があくか捕まるか、昼間の騒音にまぎれて、牢獄のコンクリ床を打ち崩すサスペンス。迷路のような静寂の地下通路では、ささやく声とヤスリの音のみ。神経が研ぎ澄まされていくようなリアルな効果音が、緊張感を高める。
歯ブラシと鏡の破片を利用した覗き鏡、カモフラージュ用の人形など、小道具の巧みな使い方は、後年の脱獄劇にも大いに引用されている。
「情けねえ奴だ」吐き捨てるようにつぶやく意表を突いたラスト。覗き鏡に写った物に、誰もがギョッとするだろう。
ここに善と悪はない。人間はずる賢く弱いものだ。好意的な刑務所長と、物分りの良い班長もラストへの伏線だったのか…。
原作者のジェゼ・ジョヴァンニと、リーダー格のロランに扮するジャン・ケロディは、実際に脱獄囚だったらしい。つまりモノホンという事。日本でいうと、安藤昇か安部譲二的な人物か…。
国内LD未発売(ビデオ有り)。ビスタスクイーズ収録国内初ディスク化。特典映像としてジャン・ケロディの語りのみというオリジナル劇場予告編、作品紹介、キャスト&スタッフ紹介付。オリジナルポスターを表紙にした解説書も封入され、デジタルニューマスター版で画像もかなり良い。(2003/6/6)
●アメリ/プレミアム・エディション(アメリ缶)…監督・脚本ジャン=ピエール・ジュネ。なんとない現実を、ありのままに過ごす毎日は、つらい事や悲しい事、うまくいかない事ばかりのようだが、実は、いたるところに幸せや驚きが隠れているのだ。ただ、感じないだけ、見えないだけ…。
内向的で空想好きなアメリは、人一倍強い感受性で、人を幸せにする幸せに喜びを感じるのであった。そんなアメリの前にも、一風変った気になる青年二ノが現れ、その強い感受性が、大きく揺れ動いていくが…。
いやな奴へのスパイもどきの企み、3分間写真に写っていた謎の男、世界を旅するドワーフ、アメリの恋の行方など、多彩なエピソードを通して浮かびあがるちょっとした幸せと驚き。
自らの体を水のように溶かし、壁の絵や写真を動かす、アメリの心情を現わしたCGがファンタジックだ。
家族で見るには、油断できないシーンもある事を、忘れてはいけない…。
大きなつぶらな瞳が印象的、オドレイ・トトゥ扮するアメリ・プーラン以外のアメリを誰が想像できようか。
シリアルナンバー入りの15,000限定生産のアメリ缶。世界にひとつしかない「02170」が私の(さらに、ネット限定のフィルムしおり3枚組付)。
シリアルナンバー無しの追加生産分も出回っているが、15,000以上も売り切ったとは凄い。缶を開けると漂う、キャンドルの甘い香りが、立体的に映画を楽しんでいるようで斬新。(2003/5/31)
●ウォーターボーイズ…妻夫木聡主演。肝心のスポーツをさせないで、掃除や窓拭きばかりをさせるが、実は、それが基本練習の反復になっていたという、スポ根物のお約束を、本当に掃除をさせていたというギャグにしてしまう所などからして矢口史靖監督のセンスの良さがうかがえる。
ラストの男のシンクロは、やはり凄い、スペクタクル・ミュージカル・コメディとでも言おうか。
猛練習の賜物だろうが、これだけでも感動する。メイキングには、その猛練習も克明に収録されているが、これだけ一生懸命やってくれれば、感動もするというものだ…。(でも、プールサイドをあんなに速く走ったら、危ないぞ!)
全編に散りばめられた、見ているこちらが恥ずかしくなるような、浮いてしまう寸前のぎりぎりギャグが、見終わった後に、純粋で多感な高校生のばか騒ぎの象徴として、じわじわと効果的に作用してくるのも、演出のさじ加減の巧さだろう。
そういえば、こんな馬鹿な奴がいたっけな〜、と自分自身の思い出へといざなう、ノスタルジックな青春映画。
氷がカランと音をたてる甘酸っぱいカルピスのような映画だ。
2002年3月21日発売の初回生産限定デジパック仕様は当然完売。サイドストーリーなど特典映像はかなり充実している。買って損無し。(2003/5/26)
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●ジェヴォーダンの獣…プレミアム・エディション3枚組。特典ディスク2枚、約214分の特典映像付。監督クリストフ・ガンズ 出演サミュエル・ル・ビアン。
1764年から68年のフランス、ジェヴォーダン地方で起こった、100人以上の犠牲者をだしながら、未だに謎のままの伝説を、大胆に映画化したエンターティメントに溢れたアクションミステリー歴史ロマン。果たして、ジェヴォーダンの獣の正体は?
2002年8月23日発売。6800円と高額ながら、発売後すぐに完売。DVDコレクターが増えたのか、初回盤は早めに入手しないといよいよ危険な状況になってきた、と実感。
フランス貴族、アメリカ先住民、ジプシーなどの異文化が混ざった、混沌としたミステリアスな雰囲気の前半と、謎の獣との戦いから一気にアクション度が高まる後半。チャイニーズカンフーやエロチックなシーン、どんでん返しなどもある、とにかく欲張りな映画。
豪華絢爛な衣装、荘厳で神秘的な森の描写、スローモーションを巧みに使った映像がきれい。 (2003/5/19)
●ガタカ…監督・脚本アンドリュー・ニコル、音楽マイケル・ナイマン。
A、T、G、Cの4つのアルファベットが強調されているクレジット表記。この4つの文字は何なのか?映画の冒頭を飾るのは、ミステリアスなタイトルロール。
この4つの文字は、DNA(デオキシリボ核酸)の4つの物質、アデニン(A)・チミン(T)・グアニン(G)・シトシン(C)の頭文字であった訳だが、タイトルのGATTACA(ガタカ)とは、その4つの文字を使った造語。
管理・差別化された近未来社会を背景に、違う人物に成りすますサスペンスといったありがちなストーリー展開ながら、DNA操作による遺伝子を扱った目新しさ、SFマインドに溢れたセンスの良いビジュアル、人間の生命や運命といったテーマ性が映画にオリジナリティと奥行きを与えている。そう、運命は切り開くもの…。
半身不随の遺伝子エリート、ジュード・ロウの存在感が印象に残るが、2階建ての車椅子生活なら、普通エスカレーターぐらいつけるよな…などというヤボな話は無し。特典映像未収録シーンのコーダ(エピローグ?)は必見。スーパービッド版は店頭在庫があるが、通常のトールケース盤は、かなり品薄のようだ。 (2003/5/4)
●ザ・ビートルズ・アンソロジー DVD−BOX…当然3月31日発売の初回生産版(赤色帯)を入手。臨場感溢れるDTS/ドルビー・デジタル5.1ch音声が素晴らしい。
アンソロジー用に企画されたポール・ジョージ・リンゴの未公開セッション映像を収録したボーナス・ディスク付。「LET IT BE」で見られた、ポールとジョージの一触即発状態を思うと、このお遊びセッションのゆるさは、なんだろう…。アンソロジー自体が感傷に浸るという企画なので、良しとしなければならないのだろうが、気の抜けたコーラのようだ…。
ジョージを弟のように思っていたというポールだが、その言葉の裏には、格下のジョージという、ポールの心情が見え隠れもする。やはり、王様ポールにはジョンのような強大なライバルの存在が、必要不可欠なのだろう。
早く、あのダラダラとしているようで、実は緊迫感に溢れまくっているセッション映像「LET IT BE」を発売しましょう!(2003/4/20)
●県警対組織暴力…東映DVD2003年3月21日リリース(75年4月26日公開)。
故深作欣二監督・笠原和夫脚本・菅原文太主演の東映ゴールデントリオ。
裏切り・復讐・暴力・死・友情・信頼が渦巻く人間ドラマであった「仁義なき戦い」に、さらにヤクザと癒着した警察と政界の腐敗をからめた実録ヤクザ映画の傑作。
菅原文太は、ヤクザから刑事へと大きく役が変わり、一見ダーティだが、ヤクザ社会の裏の裏まで知り尽くしている人情味あるキャラで登場。これに、昔ながらの男気あるヤクザの松方弘樹、県警本部から派遣されたエリート警部の梅宮辰夫がからむ。
東映実録ヤクザ映画は、決してアウトロー達のリアルな暴力描写のみが売りの映画では無く、社会の必要悪とは?正義とは?本当の悪い奴とは?といったそのメッセージ性の強さに魅力がある。
菅原文太、梅宮辰夫、松方弘樹、金子信雄、山城新伍、成田三樹夫、田中邦衛といったオールスターキャストも、今さらながら凄い。
ガチャポコ、ガチャポコかき鳴らすタイトルバックのワウワウギターがエネルギッシュだった昭和の勢いを感じさせる。チャプター、フォトギャラリー、劇場予告編付。(2003/4/6)
●インソムニア ※ネタバレOKの方のみテキストをドラッグ…クリストファー・ノーラン監督最新作。
あまりにも衝撃的だった前作「メメント」の反動からか、ビッグスターのネームバリューと手堅い演出で、まずは無難なサスペンス映画を撮り上げたという所だろうが、それでも「メメント」で見せた語り口の巧さは相変わらずで、監督の非凡な才をあらためて確認できる。
捜査を開始したウィル刑事(アル・パチーノ)は、その敏腕ぶりで、後一歩の所まで犯人を追い詰めるも、突発的な事故に遭遇し、自分を見失ってしまう。
そして、窮地におちいるとともに徐々に意識を蝕んでいく不眠症。
良心の呵責にさいなまれるウィル刑事に、からみつくように照りつけるアラスカの白夜が効果的だ。
フラッシュバックで挿入される幻覚により、一体何が真実だったのかが曖昧になってくる手法はノーラン監督お得意のパターンか…。
一見オドオドした小心者のウォルター(ロビン・ウィリアムズ)が、突然、本性を現わすラストは現実にありそうで怖い。
BOXジャケット(外箱)がきれい。(2003/3/23)
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●サイン コレクターズ・エディション…テーマは、ミステリーサークル、デジャヴ(予知夢)、ダイイング・メッセージといった、ほとんど木曜スペシャルのノリだが、人間の心の奥に染み入るようなシャマラン監督の繊細な演出と緻密な脚本により、見応えのある一級のSFスリラー作品となっている。
不気味な声と足音だけで怖がらせ、いつものように謎めいた伏線はりまくりの展開が一挙に解き放たれるラストまで引っ張るテクニックは、まさに神技。
どこにでもいる等身大の家族から見た地球規模の危機?という着眼点を映像化すべく参考にした映画が、「鳥」「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」「ボディ・スナッチャーズ」というあたり、シャマラン監督のセンスの良さが光る。
バナナの皮に滑って転んだ人物自身は悲劇だが、他人から見ると喜劇だ。という言葉があるが、持続する緊張感の中で、垣間見せるホアキン・フェニックスのコミカルなうろたえぶりも心地よい。 女の子役のアビゲイル・ブレスリンは天才か?。
矢追純一さんの情報によると、シャマラン監督の次回作は、あの謎の吸血生物チュパカブラらしい…(ウソです)(2003/3/10)
●ソードフィッシュ※ネタバレOKの方のみテキストをドラッグガブリエルはイスラエルの情報機関モサドの元スパイ。ジンジャーは連邦麻薬取締局(DEA)から派遣された捜査官らしいが…。
天才ハッカー、スタンリーに筋書き通リの展開を思い込ませ、テロリストを抹殺するための資金強奪に加担させようというガブリエルの狙いが映画のお話だが、スタンリーが、ワイン貯蔵室で見つけるガブリエルの死体は?ラスト、ヘリが爆破され死んだのは、ワイン貯蔵室にあったガブリエルの死体…。つ〜事は、95億ドル強奪に成功したガブリエルは一体誰?
スパイ大作戦のようにベリッとマスクを剥がすとそこにはトム・クルーズが!と、いかにも的なラストは望むべきではないとしても、もう少しわかりやすいオチにしていただかないと眠れません。

「眼には眼を」的なテロリスト対策うんぬんと、冒頭のガブリエルが語るハリウッド映画のリアリズムの欠如など、何が本当の正義かという問いかけが、今持ってこそ考えさせられる。
映画を作りながら、エンディングを考える監督もいるようだが、特典映像の2種類の別エンディングは、監督の迷いが垣間見えて面白い。(2003/3/8)
●13ゴースト 絶叫パック…お目当てはこのセットボックスのみに収録されている1960年オリジナル版、付属のGHOST VIEWERで見る幽霊見え隠れバージョン。
ギミック・ホラーの帝王と呼ばれていたウィリアム・キャッスル監督のこの作品、噂には聞いていたのだが予想通リというか、予想以上のチープさに軽いめまいが…。
赤と青のセロハン付のメガネ。赤で見るとゴーストがよりはっきり見えて(メガネをつけなくても見える)、青で見ると見えないという単純な2色カラーを応用した映画なのだが、このメガネ、どうやら当時の物の復刻版っぽい。このメガネを持ち、「マチネー/土曜の午後はキッスで始まる」みたいにワーワーキャーキャー言ってたんだろうな〜、60年代のアメリカのティーンエイジャーは。
メガネ不要のレギュラー・バージョンも収録。GHOST VIEWER対応バージョンは冒頭と最後にウィリアム・キャッスル監督の説明入りで、2分ほど長い。
2000セット限定だが、売り切るのか?少し心配…。持っているだけで楽しいディスクというのも久し振り。ビスタ・スクイーズ仕様。 (2003/3/1)
●パニック・ルーム…密室の中の密室というアイディアがいい。被害者と加害者の両方に感情移入させつつ、なにげに前半と後半でパニック・ルームの中と外の立場を入れ替える展開も巧い。 懐中電灯の光で助けを求めるくだり、一瞬のスキをついて携帯電話を探すメグ(ジョディ)のくだり、駆けつけた警官とメグとのやりとりなど、フィンチャー監督の演出は、まさにサスペンス・スリラーの王道。
自身の過去の衝撃的な映画と比べてインパクトが無いとも言われているが、この正攻法のサスペンス演出こそ、この作品でフィンチャー監督がやりたかった事か。
北北西ばりのセンスの良いタイトルバック、壁や排気口を生き物のように動く斬新なカメラワーク、あっという間に映画に引き込まれてしまう状況描写の説明の巧さなど、ひょっとしたら今一番、ヒッチコック的な監督はフィンチャーかもしれない。 (2003/2/22)
●呪怨・呪怨2…やっぱり怖いよな〜。突き放した断片的なエピソードが効果的だし、伽椰子&俊雄のコンビも、貞子に負けないお化けキャラだし…。
でも「ずぅえんっぜんっ、怖くありません!」と自信を持って言う人もいるようでして、なんともホラー映画の恐怖感というものは、個人的見解に大きく左右されるようです。
「志村、後ろ〜、後ろ〜」というドリフのお化けコントの話がでてくる清水崇監督のホラーと笑いについて語るコメンタリーは、なかなか良し。
お化け描写とお笑いギャグは紙一重なのだが、特典映像の劇場版予告編の俊雄に、少しドリフが入っているように思うのは気のせいか…?
「呪怨2」の冒頭は、「ガチンコ」のCM明け並に、戻しすぎ!でも、コメンタリー内容が違うので許しましょう。 (2003/2/11)
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●バイオハザード…映画の世界にもジンクスがある。「続編に傑作無し」「レーシング映画に傑作無し」「雪男映画に傑作無し」などいろいろ…。
そして「人気ゲームソフトの映画化に傑作無し」という新たなジンクスが生まれようという中、ついに一発逆転のスマッシュヒットが登場!
全世界で2,000万本も売れたという、日本が誇るゲームソフト「バイオハザード」のファンには、なにがしら物足りない部分もあるだろうが、映画的には充分面白い仕上がりとなっている。
「ゾンビ」はもちろん、「エイリアン2」「2001年宇宙の旅」「遊星からの物体X」「キューブ」「マトリックス」など過去の名作を彷彿させるシーンも多いが、失った記憶が徐々に戻りつつ、見るものも同時に状況を理解していくサスペンスフルな展開と、迫り来るゾンビ軍団からのサバイバルアクション展開とが、バランス良く配されたスピーディーな演出は見事。
プレッシャーに負けず、面白い映画を作ったポール・アンダーソン監督らスタッフと、いつものようにゾクゾクする(色っぽい)目つきと、体を張ったアクションで映画を引っ張るミラ・ジョヴォヴィッチら出演者たちに、拍手を贈りたい。(2003/2/9)
●バンド・オブ・ブラザース DVD コレクターズ・ボックスI&II…過酷な戦闘下に置かれた兵士達の思いを、丹念にじっくりと描いた米陸軍101空挺師団506連隊第2大隊「E中隊」の群衆劇。CG処理されたドキュメントタッチのざらついた映像、爆撃の破片のかけら一つひとつまでくっきりと描写するデジタル映像、思わず首をすくめてしまう前後左右に飛び交う銃声と爆撃音。最新の映像技術を実に見事に効果的に活用している。
事実は小説よりも奇なりというが、まさに生きた教科書。見るものは第2次世界大戦ヨーロッパ戦史の最前線にタイムスリップできる。
特に心に残ったエピソードとしては、「第1話」結果的にE中隊の結束に大きく貢献する事になるソベル大尉、「第2話」緊迫感溢れるノルマンディー降下作戦、「第6話」衛生兵のユージン・ロウとベルギー人看護婦ルネの出会いと別れ、「第7話」無能な中隊長ダイクとそれに代わるスピアーズ中尉の英雄的活躍、「第9話」シンドラーのリスト、ライフ・イズ・ビューティフルなど過去の名作がかぶさるユダヤ人強制収容所を発見するE中隊など。
メーカー情報によるとボックスIはすでに完売のようだが、1月下旬に流通在庫調整で注文分少数再出荷予定との事。あっという間に完売したボックスI。やはり良い作品に対する映画ファンの嗅覚は鋭い! (2003/01/11)
●タイムマシン特別版(2002年版)※ネタバレ有…監督のサイモン・ウェルズはウェルズの曾孫らしく話題性は充分。何故、過去を変える事ができないのか?天才科学者アレクサンダーは、その答えを未来に求めタイムトラベルに出発するが、80万年後の世界で得たその答えは、その悲劇は今の自分に必要不可欠なものだったという事であった。そう、誰も世界を制御する事などはできないのだ。その証拠にモーロック族の支配者を殺しても、やはりその未来はモーロック族に支配されたまま。アレクサンダーは、80万年後の世界に残る事を決意し、最後の希望を託す行動にでるのであった。
旧作のイマジネーションそのままで斬新さに欠けるも、最新のVFX技術を駆使しためくるめくタイムトラベルシーンやモーロック族の襲撃シーンなどは、さすがに凄い。唐突で雑な脚本が残念だが、タイムトラベル物の定番「未来は今こそを切り開くべきもの」というテーマ性は充分に感じられる。80万年後にも1台だけ壊れずに残っている立体ホログラム映像によるデータベースは、すでにどこかにありそうで、旧作のCDやDVDの先駆的なイメージだった「しゃべるリング」ほどのインパクトは無い。
特典映像には別オープニングシーン収録だが、そこで見られる太陽光線による模型での力学説明シーンは、80万年後のシーンで登場する大きな風車の伏線だったが、これでようやく、あの風車が何だったのかわかった。(2002/12/22)
●食神…監督/脚本/出演チャウ・シンチー。「しょくしん」と読む(念のため)。料理の鉄人を元ネタにしているのは有名な話だが、アクションコメディ=料理という発想が、奇想天外な男チャウ・シンチーらしい。 「爆発 小便団子」というネーミングも凄いが、おっさんが食べると、肉汁が半端な量ではなく、飛沫をあげて飛び散り、さらに半裸で白いヒラヒラをまといつつ、満面の笑みで夕陽の海岸を走るイメージが挿入されるなどは、古臭くも新しいナンセンスギャグ炸裂で宜しい。
ブスメイクのカレン・モク、怪しい少林寺の師匠、鼻ほじりの女子高生、ヅラねたなどかなり濃いギャグスパイスが全編に効いているが、傲慢でイヤな奴だったチャウ・シンチー演じる食神が落ちぶれた後、再起を図る心情が、スパイスの効き過ぎで弱まり、ラスト料理バトルが「少林サッカー」ほど燃えないのが残念。このあたりの反省が「少林サッカー」大ヒットへの伏線ともなっているのかもしれないが…。(2002/12/15)
●鬼が来た!※ネタバレ有…製作・監督・脚本・主演チアン・ウェン。2000年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。香川照之が囚われの日本兵、花屋として出演し、強烈な印象を残している。
チアン・ウェン演じるマー・ターサンと村人、そして囚われの日本兵とその通訳、きっちりと描かれたキャラクター達のその右往左往ぶりは、ブラックユーモア満載だが、映画後半、この滑稽さが、戦争の狂気と相伴って、人間の愚かさと残酷さを強調する事になる。特に、何が起こるかわからない日本軍と村人による宴のシーンは、一触即発の予想のつかない凄まじい緊迫感に溢れている。
狂気の時代に翻弄されるマー・ターサン。ラストのカラー転換は、遠い昔の事ではなく、現実に繋がっているという感覚を与えたかったというチアン・ウェンの言葉もあるが、それよりも人間を違う視点から見つめるその達観したショッキングなシーンは「子連れ狼/死に風に向う乳母車」映画版(72年、シリーズ第3作)のラスト、加藤剛の死に様と同じ(全然関係ない話だが、この「子連れ狼」には香川照之の実母浜木綿子も出演してます…)。切り落とされた頭から見る映像は実にシュールで印象深い。
マー・ターサンの子供を孕んたユィアルが、その後どうなったのか?DVD封入の解説書には、幻のエンディングとして、花屋が50年後にマーの遺児に会いに行き謝罪するシーンを撮影していたと記載されている。という事は、無事出産したようだ…。残念な事に特典映像としては収録されていないが、この救いのある幻のラストを見たい!物凄く見たいぞ!我完全版再発盤希望!(2002/12/8)
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●アザーズ…製作トム・クルーズ。監督はスペイン出身アレハンドロ・アメナバール。たちこめる霧に覆われた孤島の洋館、屋敷内に漂う重苦しい空気、分厚いカーテンに閉ざされた暗闇にうごめく影。
ラストのオチばかりに目を向けると新鮮さはないが、心理ホラー映画としての完成度はかなり高い。全編に溢れる静かだか重厚な緊迫感は、ラストにその存在が現れるまで、息苦しいまでに続く。
民放の心霊特番(宜保愛子がでてたようなやつ…)で「実は、向う側でも恐がっているんですよ…」というコメントを聞いた覚えがあるが、あっちの世界でも和洋問わずつながっているようだ。ピアノ、ドア、歩き回る足音、ロウソクといった小道具がなんともうれしい、これぞゴシックホラー。死者のアルバムはインパクト有りすぎ…。
この静寂のサラウンドを体感せよ。初回限定スペシャルBOXがきれい。特典映像見る暇なし!(2002/11/28)
●少林サッカー…少林拳を広めるためにサッカーに挑む「鋼鉄の脚」シンが、スカウトする少林寺六兄弟。「七人の侍」を彷彿させる、残り五人が次々と現れるエピソードは映画前半の見せ場。そして強烈な敵キャラ達。グループスポーツ物はキャラクターが命だが、そういう意味でも凄い映画。
さらに、ベタなギャグ、強烈なギャグ、小ネタをふんだんに盛り込み、香港映画特有のテンションの高さで最後まで突っ走るこの映画的快感は、劇画CG満載のクライマックスシーンで頂点に達する。もともと劇画チックなオーバーアクションの香港映画は、劇画CGともまったく違和感がない。どんなに素晴らしい技術も、生かすも殺すもアイディア次第という事だ。
ビッキー・チャオにブスメイクは、容姿よりも心が大切というチャウ・シンチーの哲学。個人的にはブルース・リー似の四兄「魔の手」のキーパーが最高!
おまけの特製ピンバッジは、饅頭屋でシンの歌声に感激する作曲家志望の青年だった…(なんとも言えぬ凄いキャラ)。特典ディスク1枚とプレミアムTシャツ付きの20000組限定の足球箱。この映画をつまらんという奴とは口を聞かん!(2002/11/24)
●帰ってきたドラゴン…単身香港に渡り、得意の武道で悪役として活躍していた倉田保昭。74年日本のカラテブームにのり主演第1作として凱旋帰国。こんな日本人がいたのか!倉田保昭は一気にメジャー俳優の仲間入りを果たした。後半30分、盟友ブルース・リャンとの追っかけカンフーは、数あるカンフー映画の中でも一、二を争うスピーディな(せわしないとも言うが…)バトルだ。両足壁登りは真似をして大怪我をした奴が続出したともいわれている。
本編音声解説では「しゃべっちゃっていいのかな〜」と言いながらブルース・リャンが暴漢に刺されしまったエピソードや、香港映画流のオーバーアクション演技を求められかなり閉口したというエピソードなどを淡々と語り、インタビューでは「DVDを買いましょう。何?機械を持ってない、みなさん、機械は買ってください。…えっ、何、お前は?、へへっ、実は…」などと、小ネタをとばす。なんともいえない人の良さがにじみでていてナイス!
2001年11月9日J.V.D.発売。左右を多少カットしたシネスコ・ノンスクイーズ収録、広東語版、日本語字幕ON/OFF不可。ビデオ発売予告編のナレーションが笑える。メインテーマ曲がタランティーノっぽくてかなりカッコいいが、なにかのパクリか?…
同じ面子で「無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を征く」も作られた。監督のウー・スーユェンは、78年「酔拳」でジャッキー・チェンを発掘しスターに育てた事でも有名で、現在では香港映画監督協会の名誉会長。(2002/11/10)
●友へ チング…4人の若者の20年来の友情を見つめつつ、それを自分自身の思い出へと誘うノスタルジックな展開を、古臭い題材と思うなかれ。巧みな構成と練られた脚本は、もっともっとこの4人を見続けていたいという気にさせてくれる。後半、ヤクザの世界に身を置くジュンソクとドンスの確執により、一見ヤクザ映画ともとらわれがちだが、どうにもならない流れに身を委ねる2人こそが、決してあの頃には戻る事ができない4人の象徴ともいえるだろう。
海で浮き輪につかまりながら、しょーもない話に夢中になる少年期の4人。ラスト、再び同じシーンに戻り、沖に流され過ぎたから早く戻ろうというエピローグも心に残る。
映像特典の「チング現象」で、ドンスに渡された小切手とジュンソクの父親であるヤクザの親分の死、土砂降りの雨の中でジュンソクが投げたタバコの意味など、各所に張られた伏線の解説が2度目の鑑賞に大いに参考になる。プサンの方言に近いニュアンスの関西弁吹替えも収録。1970〜80年代の韓国の暮らしぶりなど、韓国を身近に感じる事ができる点でも特筆すべき映画だ。(2002/11/4)
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●ジーパーズ・クリーパーズ…前半はいわれなき恐怖サスペンス、中盤は謎の猟奇殺人鬼が迫るサイコスリラー、後半はうなり声をあげて迫るモンスターホラー。それぞれに見せ場があり、かなり計算されたヒット狙いの作品だが、全体としてはやはり中途半端。
どこかで見たようなシーンは結局それ以上でも以下でもないし、殺人鬼クリーパーはジェイソン、フレディら横綱クラスのモンスターキャラと比べると今ひとつ魅力に欠けるし。フィギュアバージョンと通常デラックス盤でDVD発売だが、まだフィギュアをつけて発売するほどモンキャラ(勝手に略)は立ってないと思うが…。ただ、音楽好きのおちゃめなクリーパーは、続編(?)で大化けする可能性も高い。フィギュアバージョンに封入されているDVDは恐ろしく安っぽい透明ジュエルケース。結局両方買っちまった、フッ…。(2002/10/22)
●ワイルド・スピード/コレクターズ・エディション…2002年4月26日発売の初回分は限定ピクチャーディスク。初回ロット数が意外と少なかったようで、すぐに完売。つんざく爆音の凄まじいサラウンド感と移動感、ノリのいい音楽と切れのある演出。エンジン内を駆け巡るロケット点火!とにかくクール!頭すっからかんにしてこの映像と音に酔いしれよう。犯罪集団をあばくんだったか、命をかけて仲間を守るんだったか、ん〜、なんかストーリーはあったようなのだが…。
あんな運転は死んでもできんが、体感させてくれるのがこのDVD。ニトロ噴射装置って「恐怖の報酬」のニトロか?と思ったけど調べたら亜酸化窒素らしい。日本のスポーツカーの事を「ライス・ロケット」と呼び、凄いブームになっているっつうんだからたいしたもんだ。なんでもいいからがんばれニッポン!(2002/10/14)
●モンスターズ・インク…ディズニーの稼ぎ頭ピクサー社、面白さは保証付。根本的なアイディアにはさほどの新鮮さはないが、全体のグレード感はやはり極上。時も忘れてうっとりとしてしまうこのCG映像はもう芸術です。吹替えは爆笑問題の田中とホンジャマカの石塚。お笑い芸人、コメディアンはその性質上、ときにわざと自分たちを卑下してみせ笑いを誘うが、お笑い芸人ほど感受性と表現力を必要とされる職業はない。好き嫌いはあろうが、コメディアン独特の笑いの間とテンポはやはり達者だ。セリフ棒読みのようだった所ジョージのバズでさえ、世間知らずのヒーローという天然ボケさは感じられたし、ぶっきらぼうだが愛嬌のあるシュレックの濱ちゃんなど、ただ話題作りだけというわけでもなさそうだ。エンディングのNG集はそろそろクドいか…。(2002/10/10)
●ユリョン…原子力潜水艦ユリョン!密閉された空間でクーデターを起こす副艦長202、標的は日本!阻止すべく孤独な戦いを挑むミサイル士官431。果たして韓国と日本は全面戦争に突入してしまうのか!…というようなドラマ展開で、最近の韓国映画らしく重厚な雰囲気はかなりいけている。が、シチュエーションの説明不足の為か、登場人物にまったく感情移入できない。なんだかよくわからないままドラマが進行していくので、ただやたら熱っぽいだけという印象を受けてしまう。人の良さそうな調理長981の死に様が一番印象に残るというのは、どう考えてもマズイと思うが…。「シュリ」「JSA」と続き、期待が大き過ぎたのも敗因か。最近いろいろありまして、更新サボってます。まっ、そのうち何とかなるでしょう。(2002/9/23)
●シュレック…アクの強いキャラ、過激なギャグ、予想を裏切るエンディングなど、おとぎ話はこうあるべきという概念を打ち破ったスタッフの勇気に拍手。ウィリアム・ステイグの原作がインスピレーションなのであろうが、なかなかできる事ではない。さらに落としどころも、立派なおとぎ話なのだから恐れいる。ディズニーアニメという巨大な壁が高ければこその反動なのか、思いっきりパロッたベタなギャグが、非常に鮮烈で効果的なのが愉快だ。頭が良くてハンサムな誰でも憧れる優等生をディズニーアニメだとしたら、いたずらで乱暴だけどクラスをたばねる人気者のガキ大将が「シュレック」だ。声をあてているのがダウンタウンの濱ちゃんだが、ぶっきらぼうな感じがなかなか良い。特典映像の「吹替えスタジオ」が、うまくいかないんですが…。(2002/7/22)
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●仄暗い水の底から…独特の心理描写で恐怖させる中田秀夫監督ホラー映画4作目。両親が離婚し、孤独で寂しい幼少を過ごした黒木瞳演じるヒロインは、今では自らが親権をめぐり離婚調停中であり、自分の娘にこそは寂しい思いをさせまいと必死だ。しかし、古びたマンションに引越してから異様な現象が次々と母娘に襲いかかるようになり、言い知れぬ不安感に苛まれるようになっていった。そして、2年前に行方不明になった少女の念と、母娘の愛情は、切なくて恐ろしいラストを迎えるのであった。
古典的なホラーハウス物と、エレベーターや監視モニターなどの小道具を使った都市伝説的な恐怖をミックスさせた中田演出はさすが。特典インタビューにもあるが、空気を大切にするという中田監督らしい映画。ヒロインに対する「おいおい、何やってんだよ、ったく…」というはがゆい思いは、ホラー映画のお約束としても、マンションに住人がまったく居ないという不自然な描写とセットまるわかりの美術がちょっと気になった。(2002/6/30)
●許されざる者…暴力は暴力を生む。暴力という負の連鎖を断ち切るには、絶対的な暴力しかないという事を身を持って知っている年老いたマ二ー。
女子供までをも殺す冷酷非情で残忍な悪党と噂されたマ二ーの本当の心を知っていたのは、墓に眠る妻クローディアだけだったのかもしれない。
足を洗い、幼い子供達と地道に暮らしていたマ二ーが生活に困窮し、しかたなく選んだこの最後の仕事にも、暴力をふりかざすヒーロー気取りの男達が群れていたのだった。
1992年アカデミー賞も納得のイーストウッド生涯最高の傑作。このリアルな西部劇には、ただただひれ伏すのみ。
山田康雄のイーストウッドも聞ける貴重な日本語吹替音声収録。(2002/6/1)
●マルコヴィッチの穴/DTSコレクターズエディション…15分間だけジョン・マルコヴィッチになれる不思議な穴。精神と肉体、才能と欠点、自意識、輪廻転生といった哲学的なテーマを持ったコメディ映画。創造力に溢れた奥深い映画だが、突飛で奇抜さが諸刃の剣状態。なんだかな〜とついていけない人、思いっきりはまってしまう人などいろいろだろう…。
チョイ役にも大物が数人でてますが、マルコヴィッチ軍団が強烈。スパイク・ジョーンズ第1回監督作品。初回限定生産、160ページ解体新書が凄い。(2002/5/28)
●ムーラン・ルージュ/プレミアムエディション…会話の途中で突然唄いだすその非現実さから、ミュージカル映画が敬遠されはじめたのは一体いつ頃からだっただろうか…。より自然によりリアルに、という演出手法が主流の今、ディズニーアニメぐらいでしか見る事のできなかったミュージカル映画が、バズ・ラーマン監督の手により今ここに蘇った。
19世紀末のパリ、ムーラン・ルージュを豪華絢爛な宝石箱のような幻想的で非現実的な舞台空間として描く事により、唄で会話するという違和感をまったく感じさせない。そして、あえてオーバーに演出した古典的メロドラマは、大胆にアレンジされた名曲ロックポップスに彩られ、テンションの高い唄と踊りとともに怒涛のパワーとなってラストまで駆け抜けてゆく。まさにスペクタクルミュージカルの登場だ。
隠れCGも見事であるが、それ以上に魅力的なのが出演者達自身の唄。特にユアン・マクレガーが大きな口をさらに大きくあけ、一生懸命唄っているのも好感が持てる。達者な俳優だ。初回生産限定・豪華ベルベットボックス入りスペシャルパッケージ。本編同様、濃厚な特典も味わえる。ミュージカルはちょっと…という食わず嫌いな人にもおすすめDVD。先着で非売品プレス付。(2002/5/19)
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●カル/デラックス版…(ネタバレ少し有り)猟奇殺人事件の本当の犯人は、やっぱり◯◯◯だったか…という余韻を残しつつのラスト。パズルのようにひとつひとつのシーンをつなげていくとそこに答えがあるはず、なのだが実はわからない所が面白い伏線だらけの映画。こういう映画もあるんだな〜と感心してしまった。「ゼロからは何も生まれない」という言葉通り、ハリウッド映画の模倣から始まった韓国映画のパワーは、今や凄い事になってきている。9枚の「謎カード」完全収録で、劇場よりも何度も見られるDVDの方がストレスは溜まらない。2,980円の廉価版DVDで再発売されたが、初回版は限定プロフィール・カード(ハン・ソッキュ、シム・ウナ)2枚付。もちろんコレクションするなら初回版でしょ、やっぱり…(2002/5/14)
●荒野の1ドル銀貨…リリース好調のマカロニ・ウエスタンDVD−BOX。中でもずっと待っていた「荒野の1ドル銀貨」は涙もの!針が擦り切れるほど聞いたマカロニ・サントラレコードの定番だった、あの口笛のテーマ曲がかかった瞬間「あ〜、生きてて良かった〜」とマジで思ってしまった。初見はテレビの洋画劇場だが「怒りの荒野」と並んで欲しかったマカロニ作品。ストーリーは説明するまでも無いぐらい有名(ですよね?…)。ノンスクイーズが残念だが、オリジナルイタリア語版、英語版オープニング・エンディング、ジェンマの現在のインタビューなど、貴重な映像特典も多い。「怒りの荒野」もいよいよ発売!うれしい!何故今まで発売されなかったのが不思議だが、おそらく確実に売れるヒット作品のみ権利を購入するのが難しかったのだろう。つまらないマカロニも結構ありますから…。(2002/4/30)
●JSA…北朝鮮警備兵射殺事件の真相は…?朝鮮半島、南北分断の共同警備区域(JSA)を舞台にしたいわゆる密室劇だが、限定した空間の中で繰り広げられるドラマは、謎解きサスペンス映画としても、絆・友情の映画としても一級のエンターティメントである。冒頭に謎めいたクライマックスの断片を提示し、徐々にその真相を解明しつつ、ラスト近くにまた冒頭に戻るという古典的な構成ではあるが、背景にある南北分断という政治的テーマがメッセージ性を高め、見る人の心を揺さぶる。ラストの写真は印象的、必ず見直したくなるだろう。買わずに見れるか!DVD。パク・チャヌク監督作品。ソン・ガンホ(イ・スヒョク役)、イ・ビョンホン(オ・ギョンピル役)…出演者みんないい。ゴールデンウィーク真っ盛り!(2002/4/29)
●ギャラクシー★クエスト…スター・トレックはトレッキー、ビートルズはビートルマニア、ヒッチコックはヒッチコキアンなどと、それぞれの熱狂的なマニアをこう呼ぶ。趣味嗜好というものは、人それぞれだが、自分が興味の無いものに対して、熱くなっている他人の姿を見ると、どこかコミカルで微笑ましく感じる事がある。この映画はそんなスター・トレックの(ような)出演者とトレッキーの(ような)関係を元ネタにしている。映画前半の、出演者とマニアとの間の微妙なズレが思いっきり楽しいのであるが、制作スタッフ達も元は当然映画マニアであるから、そのあたりの笑いのツボにも愛が感じられる。そして後半は、ダメ野球部が一念発起して優勝してしまうスポ根もののような感動もあり、全体に漂うチープ感と一流のSFXがバランス良くブレンドされたSF冒険コメディとなっている。SFファンに愛を込めて!…まあ、このサイトもまったく興味のない他人から見りゃ絶対に理解できない構成でありますが…。もうすぐゴールデンウィーク!(2002/4/26)
●バーティカル・リミット…雪山で遭難した3人を救助に向かう6人の登山家。冷静に考えれば3人を救出すべき行動で、最終的に6人を犠牲にしてしまうラストは理不尽。しかし、「Because it's there そこに山があるから登る」と答えた英国の登山家ジョージ・マロリー、大いなる冒険ロマン。ラストの墓碑名を見ても明らかなように、決死のサバイバルに挑み散った彼ら冒険家達にとっては、永遠にここに生き続ける死もまたロマンなのであろうか…。人間描写は薄っぺらいが、ニトロを背負いつつの断崖絶壁でのスリルは、それを補って余りあるほどの迫力!何度も腰が浮いちまった…。ポップコーンをほおばりながらワーワー、キャーキャー見る映画。これがマーティン・キャンベル監督の作風だろう。謎めいた登山家モンゴメリー役のスコット・グレンって「バックドラフト」の人。「エイリアン2」のロボット、ランス・ヘンリクセンとごっちゃになってました。雰囲気似てませんか…。ホームシアター大画面向き。ジュエルも買っとくか…。(2002/4/2)
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●A.I.特別版…愛情をインプットされたデイビッドにとって、自分の存在する理由は、愛し愛される事のみ。愛されないデイビッドには存在理由がない。ママの微妙な愛情の変化に、実験ロボットデイビッドは、自分の存在理由を探すというまったく新しいプログラムが作動したようだ。人間になりたいと思う事が目的ではなく、愛されたいと思う事がデイビッドの目的。マーティンがデイビッドに抱くジェラシー、親友テディとの友情、最も人間らしい愛の行為ロボット/ジゴロ・ジョーとの出会い、そして自分以外にも存在する自分に苦悩するデイビッド。人工知能デイビッドがインプットするさまざまな出来事は、自身のプログラムをショートさせてしまいそうだ…。デイビッドが行きついた先には「何故自分が存在するのか、生きる意味そのものを考える事こそ人間の証である」という未来の自分自身の言葉と、やすらぎのひとときがあった。キューブリックがいかにも映画化しそうな哲学的「ピノキオ」は、スピルバーグの映像作家としてのマインドを多いに刺激したのであろう。素直に良い映画だと思う。デイビッドが聞く「50年って長い?」、テディは答える「長くないさ…」、生きる意味を見つけるにはね。2枚組み/初回限定パッケージで2,980円の特別版DVD(安い)。(2002/3/24)
●ショーシャンクの空に…仕事休みに飲むビール、本を読んだり美しい音楽を聞く事、そんなささいな事でも生きるに値する意味はある。そんなアンディの言葉にとまどう終身刑のレッド。希望なくして人はあらず。どんな状況でも、必死に生きるか、必死に死ぬか、ただそれだけ。あまりに過酷な運命にも淡々としているようにみえた無実の罪アンディだが、実は、その心の奥底では、誰にもはかりしれない希望が輝いていた。
罪を償い仮釈放で社会復帰したレッドは、社会に適応できなくなってしまった不安にかられながら、そんなアンディの言葉の意味をあらためてかみしめる…。いい映画だ。
「IN MEMORY OF ALLEN GREENE」フランク・ダラボン監督にとって、とても影響力のあった大切な友人だったのだろう。
くじけたり、困難がおとずれた時にこそ力になってくれる気がする、そんな映画だからこそ、DVDでいつまでもそばに置いておきたい。(2002/3/9)
●鉄道員/ぽっぽや…過去と現在が行き交う、この悲しくも幸せなストーリーを語っていたのは、しんしんと降りしきる雪のホームで眠るように息絶えている乙松(健さん)の走馬灯だったのか。雪子の幽霊は、果たして現実だったのだろうか、それとも…。多くを語らず、この映画はひっそりと幕を閉じる。ひとつひとつのしぐさ、台詞にグッときてしまい、ラストはもう涙腺ボロボロ…。いい映画をありがとうございます。降旗康男監督はじめ関係スタッフの皆様、何もお返しできませんがDVDを購入させていただき、お礼の言葉とさせていただきます。(2002/3/6)
●炎の大捜査線…謎の暗殺組織を探る為、地獄の監獄「火焼島」へ乗り込む、一応主役レオン・カーフェイ。そしてそこにサモ・ハン、ジャッキー、アンディ・ラウらがからみ男たちの熱いドラマは炎の如く燃える。というストーリー構想であったはずだが、実際は、主役クラスのエピソードが次々と繰り広げられるだけで、「私はだれ、ここはどこ…」状態になってしまう。そして強引に4人を巻き込むラスト。とにかく脚本が荒っぽい。しかし、監獄と言う殺伐とした密閉空間で、すべての登場人物が香港映画らしくイキイキと描かれているのは魅力的。異様な存在感の受刑者達のボス、ジミー・ウォングが看守のいやがらせに対抗して、お釜に一杯のごはんを、油汗をかきながら食べるシーンなど、ジミー・ウォングらしい(暴力脱獄の卵のパクリか?)。香港四大スター夢の共演は、当然である。誰も製作総指揮ジミー・ウォングには逆らえないのだから…。香港版予告編収録、ノンスクイーズヴィスタ(画質は期待しないように…)。(2002/3/2)
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●リング2…とってつけたような話(実際とってつけたのだが…)で、完全な柳の下ではあるが、ツボを押さえたここぞとビビらす中田演出は、やはり光る。女子高生受けか、浮いてる深田恭子のエピソードが釈然としないが、井戸の奥からずるずると這い上がって迫る複顔貞子などは、かなり気色悪く夢みそう…。どうせ原作を無視するのであれば、潔く今回の呪われるマドンナは誰だ?みたいな、寅さんならぬ「呪いの貞子」シリーズで、シリーズ化するべきであったと思う(…ウソです)。予告編付き。並べたいので「リング」「らせん」もトールケースで再発売してくれませんか…。(2002/2/28)
●ピーウィーの大冒険…1980年代に、その個性的なキャラクターで全米はもとより、日本のテレビCMにも登場し、一躍子供のアイドルになったピーウィー・ハーマン(ポール・ルーベンス)だが、プライベートでの映画館での奇行が警察沙汰になり、表舞台から姿を消した(日本の新聞にも掲載された…)。芸術家的なその才気で、超メジャー監督となったティム・バートン(第1回監督作品)とは正反対の行く末が寂しかったが、ここ最近、俳優ポール・ルーベンスとしてハリウッドでもようやく復帰し、今後の再活躍が期待される。しかし、志村けんも吹っ飛ぶ、このピーウィー・ハーマンのキャラクターは凄い!DVD特典の未使用シーンも超必見!(2002/2/25)
●ジュラシック・パーク3…凶暴なスピノサウルスとティラノサウルスの闘い、プテラノドンが人をつかんで巣にさらう。誰が何と言おうとこれこそ恐竜映画!実際には、魚を捕食していたスピノサウルス、グライダーのような滑空しかできなかったと言われているプテラノドンだが「誰も本物を見た人間はいない!」。下手な小細工をしないシンプルなロストワールドもののストーリー展開にも拍手。そのずばぬけた技術力だけではなく、CG恐竜は、あくまでも裏方の存在だという事を、スタッフすべてが十二分に理解している事に改めて感嘆!第1作・2作はダブリの特典ディスク付トリロジーBOX。ダブリと言っても、日本語表記が無い、背表紙が違う、品番が違う、とジャケット違いなので、当然有無を言わず、買い!である。(2002/2/13)
●ホーンティング…やっとリリースされ始めたドリームワークス作品(発売元はユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン株式会社)。ロバート・ワイズ監督同名作品(63年)のリメイク。音響効果も凄いし、CGお化けにもびっくりさせられるが、密室劇(幽霊屋敷映画)にしては、4人のキャラがどうも見えてこない。特にセオ(色っぽい方)、ルーク(ジェダイマスターじゃない若い方)の扱いが中途半端…。しかし、決して悪いとは思いません。ヤン・デ・ボン監督がやりたかったのは、テーマパークのアトラクション的お化け屋敷なんでしょうから。ゴシック調の幽霊屋敷の内装など、気持ち悪くて凄い。(2002/2/11)
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●猿の惑星/初回出荷限定版…初回出荷のみのプレミアディスク付。メーカーの「買い逃すと後悔するぞ作戦」には、緊張感が走る。「わかっちゃいるけど、やめられない」という青島幸雄の名作詞じゃないですけど、まあ、購入する甲斐もありますが…。で、ティム・バートン版「猿の惑星」。アンダーな雰囲気と素晴らしい美術、そして根底にあるのはいつも一流のユーモア。怪人変人怪物フェチ監督だけにAPESマニアのリック・ベイカーとも、猿談義(?)で話がはずんだ事でしょう。もちろん猿よりの演出になっているのは当然。ラストは、いろいろ考えさせようという狙いか?猿顔の俳優を集めたという事だが、有名俳優を使っている割には、結局誰が誰だがわかりません。いっその事、アジア代表という事でガッツ石松あたりに出演してほしかった。ものほんのアクション(けんか)シーンがスタント無しで撮影できたものを。(2002/2/9)
●ハムナプトラ2/黄金のピラミッド…ノンストップの見せ場の連続、という前評判ほどでもなく、逆に前作より、生身のアクションを重視した冒険活劇映画の原点に戻りたいという意図も見える。しかし、いかんせん一本調子なのが、いただけない。映画の「タメ」というか、効果的な見せ場の見せ方がもっとあるような気がしますが…。前作と同じ顔ぶれが揃った出演者達の息がピッタリと合っていて、そこは見ていて心地よい。当然ツィンパックを購入だが、相変わらずの映像特典が凄い。(2002/2/1)
●オーロラの彼方へ…SFファンタジー、サスペンスに父子の絆と家族愛をからめたスマッシュヒット作品。劇中にたびたび登場する「ミラクルメッツ」と呼ばれた1969年のワールドシリーズからもわかるように、この映画のテーマは奇跡。
設定にさほどの新鮮さもなく、なんとなく読める展開も後味の良さが忘れさせてくれる現代のおとぎ話。(2002/1/22)
●パールハーバー/特別版…真珠湾攻撃シーンは、予想以上に凄い。ゼロ戦が、バ〜ッと攻撃に向かう低空飛行あたりから、武者ぶるいが何度も起きてしまった(実際には、あんな低空飛行はしないらしいが…)。写真を見ながら戦艦アリゾナを探し、攻撃をしかけるシーンなど、もうダメ…。こういういかにも的なシチュエーションに弱いんですね、わたしは(要は単純なんですが)。日本の軍事会議のシーンはやはり?だが、日本はしょせん悪役。でもダースベイダー率いる帝国軍だってドイツ軍がモデルだし、存在感ある悪役も良い。そういう意味からいえば、真珠湾攻撃シーンの日本空軍は、なかなかのものである。このスペクタクル映像で3800円は安すぎ。ドラマ部分がどうとか言われていますが、い〜いんです。単純な昼メロをあえておりなすからこそ、ここ一番という見せ場が一段と盛り上がるのです。まさにハリウッド映画の王道。「砲艦サンパブロ」のマコも出演、久々に見ましたが、健在ですね。(2002/1/12)
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●ハード・デイズ・ナイト…だから、無理にスクイーズ収録にしなくてもいいっつーの。せっかくコントラストの効いたモノクロ映像がきれいなのだから、オリジナルサイズをもっと大事にしましょう。アイドル映画史上最も優れた邦題「ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!」は、DVDジャケットのどこにも記載無し。これも時代か…。ジョージもいなくなってしまったが、GEORGEをゲオルゲと読んだ中学時代のあいつは、今頃何をしているかな〜、などと思いにふけってしまう今日この頃である。初盤のジュエルケース版は「ヘルプ!」ともども廃盤。(2001/12/11)
●ハンニバル/SPECIAL BOX…相変わらずの力入れまくりの東宝豪華ボックスセット。ここまでやるか〜、という気もしないでもないが223分の特典映像はさすがに凄い。リドリー・スコット監督らしいスタイリッシュな品のある映像と、残酷なグロ映像とのバランスが、独特の緊張感を醸し出している。「セブン」を彷彿させるオープニングクレジット、アンソニー・ホプキンスの演技とは思えない、いっちゃってる異様な眼、夢か、幻覚か、ラストの悪夢のような晩餐会など、良くも悪くも、とにかく印象に残る映画。個人的には、映画版の大富豪メイスンの心情に、非常に心揺れ動かされました。(2001/11/25)
●アンブレイカブル/プレミアムエディション…プレミアムエディションではなく、劇中よろしくリミテッドエディションにしてほしかった。シャマラン監督、「シックスセンス」のお化けと同じく、今回も静と動、陰と陽といった決して新しくないテーマを題材としてはいるが、ミステリアスなオブラートに包んだ心理描写を積み重ね、徐々に観客を劇中にひきこむ演出は、相変わらずうまい。なるほど〜というラストもいけてます。先が読めない展開ほど、面白い映画はないが、この映画、そういう意味からも必ず予備知識無しで見るべし!(2001/9/30)
●ジョン・レノン/ビデオ・コレクション…珠玉のビデオクリップコレクション。無性に Happy Xmas (War is over) を聴きたくなったのは、私だけだろうか? War is over、if you want it ジョンとヨーコが残したこのメッセージ。今ジョンは、天国で何を思っているのだろうか?(2001/9/16)
●ウォーターワールド…地球が海で覆われた近未来、乾いた土地「ドライランド」の地図をめぐる海洋アクション。マッドマックス2の海洋版という趣だが、環境に適したミュータント(魚人間)登場など、設定の面白さは、ピカイチ。しかし、どこまでも続く海は、最初は印象的なのだが、場面的なメリハリがなく、だんだんと飽きてくるような…。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクションの方が面白い?USJへ行く前には、必ず見よう!(2001/9/2)
●ゴジラ×メガギラス/DVDボックス……やっぱり面白い、このゴジラ!音楽(大島ミチル)良し、画質良し。見るたびにひどくなる平成ゴジラシリーズだったが、ようやく息を吹き返したようだ…。紙相撲みたいな闘いだったVSスペースゴジラや、VSデストロイアなどとは違って、この映画、怪獣映画としての名シーンも多い。ラストバトルシーン、映画館では子供が「すっげ〜!」と叫んでたぞ!手塚監督、鈴木特殊技術監督コンビは、相性が良いようです。特典映像てんこもりのディスク1枚は、なかなか見きれん。特典映像に予告編収録の次回、金子監督白眼ゴジラは、いかに…。(2001/8/24)
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●アルカトラズからの脱出…イーストウッド演じる主人公が劇中作る、カモフラージュ用の絵や、替え玉用の人形は、サスペンスを盛り上げる小道具としては面白いのだが、ちょっと、お上手すぎ…。ずいぶんと手先の器用なやっちゃな〜と思いつつ、あまりにも事がうまくいくすぎる為、不可能と言われたアルカトラズ刑務所からの脱獄の困難さが、いまいち伝わってこない。しかし、ドキュメンタリーのような静かな演出と、ハラハラさせてサスペンスを盛り上げるシーゲル演出は、なかなかのもの。ノンスクイ−ズ仕様ビスタサイズ収録のDVD、特典映像無しが、ちと寂しい。(2001/8/12)
●シックス・デイ…凄すぎた当たり役、ターミネーターの反動からか、どうもここんとこ、今ひとつパッとしないシュワちゃんそのものの映画。ボディ・スナッチャーズ、ソイレント・グリーンといった過去のSF映画を彷彿させるユニークなアイディア、終盤のどんでん返しなど、なかなか面白いストーリーですが、いかんせん、せりふ棒読みのシュワちゃんでは、ちょっとつらいですね。表情もやわらかくなっちゃって、どうも危機感が伝わってこない。どうせ、助かるんだろ〜みたいな‥。でも、まあ、それなりに、楽しめる2時間3分ではありますが‥。特典映像は、まったく見る時間無し!(2001/7/30)
●BRUCE LEE IN G.O.D 死亡的遊戯…替え玉映画「死亡遊戯」より100倍、いやっ、1000倍素晴らしい!「死亡的遊戯」。このタイトルにこそ、リーの考えていたこの映画への思いが込められていたようだ。当時のリーが何を考えていたのかは、誰の知る由もないが、この映画に自分の武道哲学・思想を、盛り込もうとしていたのは、確かであろう。死ぬまで闘いつづける、というジャバールの言葉。一度始めたら、もう後戻りはできない、という声にうろたえるリー。何かに追われているようなリーの苦悩が、垣間見える編集がうまい。心の叫びが聞こえるような印象的なエンディングも素晴らしく、ジョン・バリーの名曲「死亡遊戯」のアレンジや、エンディングテーマも心に残る。ラストのNGシーンでは、思わず涙がでてきてしまった。(2001/7/25)
●エンゼル・ハート…とても雰囲気のある映画。簡単に言うとハードボイルド・オカルト・ホラー(って言ってもこれは、見なきゃわからんね‥)。映画館で見ている途中、ラストの結末を「ひょっとして、○○○なんじゃないの〜」って、一緒に見に行った彼女に冗談で言ったら、その通りだったので、3日間ほど口を聞いてもらえませんでした。いわく、2度と一緒に映画には行きません!という事になった、つらい思い出のある映画(映画とか音楽は、そういう思い出が残るロマンティックな物なんですよね〜)。この頃のデ・ニーロは、何をやってもデ・ニーロにしか見えず、一時期きらいになった頃ですね(今は、また好きですが)。映画館で見た時よりもLDで見た時の方が細部までよく見えて面白いと感じた映画。ですのでもちろんDVDの方がくっきりきれいでおすすめです。(2001/7/17)
●ブルース・ブラザースBBパック…封入されていたリリース情報チラシの、とある映画の題名に問題があり、発売後すぐに回収されてしまった初回限定ピクチャーディスク仕様の「ブルース・ブラザース」と「ブルース・ブラザース2000」ダブルパック。「ブルース・ブラザース」は、ディレクターズカット版スクイ−ズ・ビスタ。
※発売後約1〜2ヶ月がセールスアップの為のポイントといわれるように、初回プレス分を売り切る為のSPEの初回限定ピクチャーディスク仕様。あまり欲しくなくても、つい買っておこうかと思ってしまう…。それにしても気になるのはトールケースで再発売されるのはどのタイトルか、という事である。(2001/7/15)
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●ダイナソー…まったく違和感のない実写とCGとの合成(特に水との合成が凄い!)、美しくも恐ろしい隕石群の落下映像など、目をみはるほど進歩している最新CG映像も確かに凄いが、決してそれらがメインの映画ではない。あくまでもこの映画は、冒険、勇気、努力、愛といった昔ながらのディズニー普遍のテーマがメインの映画。それを工夫のないワンパターン映画と見るか、ディズニー精神にあふれたエンターテイメントと見るかで、この映画の評価は変わる。まるで野生の脅威といったドキュメンタリーを見ているかのようなスピーディな冒頭を見るだけでもDVD購入の価値有り。今、ウォルト・ディズニー本人が「トイ・ストーリー」やこの映画を見たら、きっと涙を流して喜ぶ事でしょう。本編82分という時間もちょうど良く、DVD映像特典のメイキングなど充実、ゲームも楽しい。(2001/6/27)
●世にも奇妙な物語/映画の特別編 特別版…シチュエーションだけ(?)が怖い「雪山」。もっとオーバーにコミカルにはじけてほしかった「携帯忠臣蔵」(中井貴一のボケも当たり前すぎ?)。ゲーム自体をよく知らないので、ちょっととっつきにくかった「チェス」(それにしても元ネタがみえみえ‥)。ちょっとうるうるしてしまったのがくやしい「結婚シミュレーター」(よくある展開‥)。テレビシリーズも全部録画しているファンですので、かなり期待して見てしまったのが、いけなかったのか。まっ、全体的にこんなもんか‥。ワンアイディア、ワンテーマのオムニバス形式のドラマは、やはり軽い気持ちで見るのが一番。「雪山」「携帯忠臣蔵」の完全版収録の特典ディスク付。これは、これで良いかも‥。(2001/6/17)
●ホワットライズビニーズ/特別編…怖いです、驚きます。3回くらいポップコーンがとびちりました、はいっ。作品の性質上、多くは語れませんが、あえて言うなら「びいっくりしたな〜、もうっ」(三波伸介風に‥)という感じでしょうか(なんじゃ、そりゃ)。ヒッチコックへのオマージュたっぷりですが、ヒッチコックに比べて伏線の張り方がちょっと弱いのが気になります。しかし、ささやく霊の恐怖など、ヒッチ作品にありそうで実は無かったお化けの演出は、特筆もの。最近のDVDパッケージは、結構お洒落で、気のきいた物が多い。LDの時代に比べても値段は安くなっているし、もっともっと普及しても良いはずだが、やはり映画は1回見たら終わりという人が多いのでしょうか。(2001/6/10)
●M:I-2…ダイナミックなカメラワーク、ペキンパーかジョン・ウーかというぐらいにスローモーションを大胆に使ったパワフルな演出、スピーディな展開とアクロバティックなアクション、超一級の娯楽エンターティメント作品である。が、これは、MISSION IMPOSSIBLE/スパイ大作戦ではない。行き当たりばったりでどちらに転ぶかわからないようなストリートファイトを延々と続けたり、派手な銃撃戦やバイクチェイスで危機を打破しようとするなど、今回のイーサン・ハントはいただけない。緻密な作戦を展開し、予想外の危機的展開を見事な切り返しとグループワークで乗り越え、計画を遂行するのが、スパイ大作戦である。そう、もっとハラハラドキドキさせてくれなければスパイ大作戦ではないのである。確かに面白い、面白いのであるが、私的には、そろそろこういうアクション映画にも飽きましたね(TVシリーズが懐かしい‥)(2001/6/6)
●夜の大捜査線……人種偏見に満ちた南部の白人警察署長(ロッド・スタイガー)は、たまたま立ち寄った敏腕黒人刑事バージル・ティップス(シドニー・ポワチエ)と、いがみあいながらも殺人事件の真犯人を探す事となる…。犯罪映画としても、人間ドラマとしても超一級の緊迫感に溢れた傑作。性格を現わすかのように、ガムをくちゃくちゃ噛みながらの登場シーンから、黒人刑事に友情を感じる、そのはにかんだラストまで、短気でワンマンな白人警察署長を見事に演じたロッド・スタイガー。67年アカデミー賞主演男優賞も納得。「in the heat of the night」(夜の熱気の中で)といった原題からもわかるように、うだるような熱さが映画の重要なファクターとなっている。音声解説、劇場予告編付、ビスタスクイーズ仕様(国内LDは、スタンダードサイズのみ)。(2001/5/5)
●エグゼクティブデシジョン…「エアフォース・ワン」「コン・エアー」と並ぶ面白さ!永遠のB級スター(注:ほめてます)カート・ラッセルのヒーローっぽくないヒーローが、他作品とは一味違う、良い味だしてます。スティーブン・セガールは、たとえ吹っ飛ばされても、必ず最後に登場して、おいしい所を持っていくはずと思って見てましたが、これもまた意外でした。死んでこんなに印象に残るのも、おいしいといえば、おいしい役どころですが…。(2001/4/13)
●グリーンマイル…ファンタジー版「デッドゾーン」とでも申しましょうか(スティーブン・キング原作)。クセのある俳優陣もみんなうまいし、なかなか見応えのある3時間8分だが、現実離れしすぎて、ちょっとひいてしまう部分もある…。最近流行り(?)のジュエルケースのキャラメルみたいな紙製BOX仕様。ダブルディスクは、うれしいが、仕事がむちゃくちゃ忙しい中、特典ディスクを見られるのは、いつになる事やら…。更新もさぼり気味。(2001/4/8)
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●マグノリア…同じ時間を共有しているマグノリア通りの総勢12人(だったかな)の群集ドラマ。ジャンル的には、結構好きな作品で、189分の長丁場も決して飽きる事はない。ただ、ラストのハプニングは、私的には、良くわからん…。特典ディスク付きコレクターズ・エディション、値段的には決して高くはない。トム・クルーズ、はまってます。(2001/3/25)
●トレインスポッティング…楽しい事、気持ちいい事ばかりしていると、ロクな事にならないような気はする…。それは、わかってる、だって俺は、他の奴とは違うから…。でも、この先は…?と、明るく悩みながら、仲間を裏切るレントン。90年代青春映画の最高作!走るシーンは、ハード・ディズ・ナイトが頭をよぎった。みずみずしいユアン・マクレガー、ジェダイ騎士よりも全然こっちの方がいい!特典映像の仲間たちの未公開シーンも興味深い。(2001/3/24)
●007/ドクター・ノオ…イアン・フレミングの原作タイトルを当初、「医者は要らない」と訳した(?)と言われている007シリーズ第1作「ドクター・ノオ」(殺しのライセンスだから、確かに医者は要らないのだが…)。凝っているメニュー画面が、しつこすぎるきらいもある007/フォックス盤DVDだが、貴重な特典映像満載で、画質も良い。もちろんワーナー盤も揃えたい!(2001/3/22)
●エンド・オブ・デイズ…メジャー級のヒットはないが、コンスタントにヒットをとばすピーター・ハイアムズ監督作品。シュワルツネッガーは、スペクタクル要素よりも悪魔との内面的な戦いといった心理的な脚本に惹かれたのであろう。そういう意味では、面白い作品である。しかし、いつものハイアムズ監督の作品通りに、全体にこじんまりとした印象を受けるのは、職人監督のてがたさゆえか…。(2001/3/20)
●暴走特急…テロ集団に乗っとられた列車には、あのケイシー・ライバックが乗っていた!「沈黙の戦艦」の本当の続編。セガールは、演技でもやられるのが、いやなようで、絶対に殴られたりはしない。関節技なんか凄いし、さすがは、ほんまもんの迫力。殴って、殴られてフラフラする、なんていうのは、セガールにとっては、ウソの世界なのだろう…。沈黙の要塞、陰謀、断崖とは、無関係だからややこしいけど、沈黙シリーズの中でも一番、好きな作品。(2001/3/16)
●何がジェーンに起こったか?…こ、恐い、ジェーン…。そのへんのホラーなど、目じゃない恐さ。白塗りおばちゃんメイクのベティ・デイビスに圧倒。お姉さん役のジョーン・クロフォードが、本当にかわいそう。意表を突いたラストも良い。モノクロ・スクイーズ画像が、きれい。でもジャケットは、LD(国内)の方が好き。(2001/3/15)
●ライフ・イズ・ビューティフル…助けを求めようとするグイドに、まったく気づかない無神経なレッシング医師は、あの「荒野の七人」の若きガンマン、ホルスト・ブッフホルツ…こちらも印象的でした。イタリア語/英語/日本語の3カ国語収録、言葉で映画の印象が、かなり変わります。(2001/3/14)
●U-571…久し振りの手に汗にぎる戦争アクション・サスペンス。映画の中にすぐに入り込めるわかりやすい設定が、密室状態の潜水艦内の緊迫感を高める。敵艦に乗り込んで逃げるなど、意外な展開も楽しめるし…。潜水艦物では「レッド・オクトーバー」「クリムゾン・タイド」よりこっちの方が好き。「ブレーキ・ダウン」のジョナサン・モストウ監督、なかなか鋭い! (2001/3/11)
●ゴジラ2000ミレニアム…入れ込み過ぎて、力みまくっている佐野史郎、浮いてる西村雅彦(自衛隊隊長)、さらには阿部寛に「ゴジラ〜」と叫ばせるセンスはまったくわからんが、ラストバトルの新宿のミニチュアなど、良く見ると凄い。ミレニアムゴジラも、この作品と次作「ゴジラ×メガギラス」で見納め。シルエットの美しさは、歴代ゴジラNo.1。トレーディングカードは余計だが、ディスクまるごと1枚の特典映像が見応えあり。(2001/3/10)
●フィフス・エレメント…見たこともない未来というよりは、どこかで見た事のある映画の寄せ集め…私的には、かなり退屈ですね、この映画。でもミラ・ジョヴォヴィッチはキュート。ベッソン監督は、女優の使い方がうまい。国内盤DVDよりも北米盤DVDの画質の方が良いらしいけど、ちょっとパス…。(2001/3/9)
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●マスク…たぶん面白い事を言ってんだろうな〜、などと思うような事のないジム・キャリーの体を使ったギャグは、万国共通 の面白さ。CG合成の顔面ギャグも笑える。未使用シーン収録も貴重な、国内盤DVDのみのニューマスタリングスクイーズ仕様。ジェリー・ルイスにほんとによく似てるな〜。そういえば、ジェリー・ルイスの底抜け大学教授、国内盤DVDも発売してくれないかな〜(2001/3/7)
●ダークマン…ドラマティックな前半と、アクション要素の強い後半がアンバランスだが、それでも充分に楽しめるスーパーB級映画の傑作。醜い顔にされ絶望するリーアム・二ーソン(ジェダイマスター)、人工皮膚をまといダークマンとして復讐に向かう!人工皮膚がぷすぷすと溶け、あわてる所など「スパイ大作戦」のようでスリリング…。サム・ライミ監督。国内ではDVDのみのビスタ/スクイーズ収録。(シリーズ化されたが、国内未リリース)(2001/3/6)
●交渉人…人質閉じ込もり犯説得のプロ!相手の心理を読み取り、的確な状況判断で事件を解決する交渉人。スリリングなその駆け引きは傑作。24分の映像特典付DVD、見応えあり。(2001/3/2)
●ジャッカルの日…暗殺者「ジャッカル」と、追う特捜隊。二つの線がひとつになった時、ドラマはクライマックスを迎える!実際の警備の参考資料にも使われていた(といわれている)傑作サスペンス!ノンスクイーズ収録が残念だがDVDのみのワイドが貴重。(2001/3/1)
●ベイブ…動く絵本のように絵がきれい。大人も子供も楽しめる秀作。決してお子様映画ではありません。日本語吹替でぜひ見ましょう。LDはオリジナルビスタ収録だがDVDは左右カットのテレビサイズ収録(2001/2/28)
●ペイバック…俺の金を返せ!裏切り者、チャイニーズマフィアとSM女、悪徳警官、そして組織を巻き込むその金額はたったの7万ドル!気がつきゃ、まわりは敵だらけ。さあ、どうするポーター。悪役ヒーロー、メルギブ!ハードボイルドアクションの傑作!銀残し映像が渋い高画質DVD!(2001/2/27)
●マッドマックスコレクターズBOX…ジャケットデザインはBOXセットのみのプレミア仕様、限定生産。「コレクターズアイテムの決定版!」。手を変え品を変え、いろいろやってくれます。こうなったら、どこまでもついていきますよ…(2001/2/24)
●ガメラ…ムービングジャケットって、この事だったのね…。スピード感あふれる回転ジェットは、いつ見ても燃える。こうなったらBOXも買うしかない。実際に撮影に使用したガメラにまとわりつくソルジャーレギオン(1000体限定発売)も、DVDなのではっきり見えてうれしい(所有しているのをちょっと自慢…)。(2001/2/23)
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●どら平太…ベテラン監督が、そつなく手際良くまとめてみました、という感じ。この映画の悪党は妙に物わかりが良く、どこか憎めない設定。それが、歯がゆいというか、痛快さに欠ける理由か…。ラストの真犯人もみえみえだし。町奉行日記の「本日も御出仕なし」といった、このあたりのつかみのエピソードとシチュエーションは最高に面白いんだけど…(2001/2/22)
●雨あがる…一部の役者の妙なセリフまわしが気になり、映画に集中できない部分もあるが、決して面白くないわけではない。つかみどころのない、ほよよ〜んとした映画(表現が稚拙ですいません)。これが小泉監督の狙い?画質も良く、スタッフの苦労や創る楽しさがよくわかるメイキングやコメンタリーなどの特典充実。黒澤ファンなら買い。(2001/2/20)
●ラヂオの時間…「こんな奴いるよ、いる」という人間観察力に優れた三谷幸喜の脚本、最高!あなたのそばに必ずひとりやふたりはいる、ちょっと個性的で癖のある人物を一同に会しての会話劇。たたみかけるセリフが小気味良い、シチュエーションコメディの傑作(2001/2/19)
●ミミック…遺伝子操作による新生物「ユダの血統」。天敵である人間に擬態(ミミック)するでかい虫。このアイデアが秀逸。黒いコートを着たような姿から正体を現わすシーンは、つい何度も見ちゃう。終盤はよくある異種生物との戦いパターンでやや平凡。(その昔、トリオ・ザ・ミミックなんていうお笑いものまねトリオがいたけど、誰も知らんだろうな〜)(2001/2/18)
●クラス・オブ・1999/処刑教室2…ターミネーター教師VS.極悪パンクキッズ!問答無用のB級アクション。最初にレンタルビデオで見てからLDもDVDも買っちまった。こいつ面白いんだよな、っていう友達みたいな作品。主役学生ブラッドレ−・グレッグ「インディ3」「スタンド・バイ・ミ−」にも脇で出演。どこに出ているか、探すのも楽しい。DVD日本語吹替えで見るべし!(2001/2/17)
●スポーン…はっとするような印象的なシーンも多いのだが、演出が平板でメリハリに欠ける。CG技術だけで98分はつらいが、スパイダーマン、バットマンといった(アメコミ)ヒーローファンは、押さえておきたいディスク。東宝DVDは、なかなか画質良く、特典映像も充実、ゴジラ/ラドンが楽しみ。(2001/2/16)
●007特別篇コレクターズBOX2…「BOX1」の時からそうだったが、何故、シリーズ年代順のパッケージングではないのか?作品の質によるチョイスか?19,800円はちょっと高いが、とりあえず買い。「ワールド・イズ・ノット・イナフ」入りの初回「BOX1」もそれなりに貴重!コレクターズライセンスカードはしょぼいが、NO.8025(BOX1)とNO.9320(BOX2)が私の…。「ネバーセイ・ネバーアゲイン」も早く発売して!(2001/2/15)
●黒いジャガー…ニューヨークの街並〜アイザック・ヘイズのテーマ曲、一筋縄ではいかない奴らを相手に活躍するクールな黒人私立探偵シャフト!スタッフすべて黒人。この異色ハードボイルドの雰囲気を楽しむ事が、面白く見る秘訣!決して、手に汗にぎるアクションを期待してはいけない。「セブン」でも健在ぶりを見せてくれたリチャード・ラウンドツリー主演。国内LD未発売で、いきなりDVDリリース!2000円!安い!(2001/2/13)
●グラディエータ−…面白い!CG技術で蘇った古代ローマ帝国とコロシアムだけでも見る価値有り!ラッセル・クロウ渋めでちょい地味だが、それがかえってリアル。いかにも切れそうな剣の音も凄い。ベン・ハ−、ブレイブハートの流れを汲む久々の歴史スペクタル大作!2枚組/豪華BOX仕様/特典映像満載で3980円は安すぎ!(2001/2/12)
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