映画史上最も偉大なキャラクターは、「ゴッドファーザー」のビト・コルレオーネだ。 米映画専門家により映画史上最も偉大なキャラクターに選出された「ゴッドファーザー」のビト・コルレオーネ。また、ハリウッドスターによる好きな映画アンケートでも第1位に選ばれた過去を持つ「ゴッドファーザー」。
パラマウント社により監督として抜擢された、当時31歳の若きコッポラは語る。「私は、ゴッドファーザーを、3人の息子を持つ偉大な王の物語と考えている。長男は、父親の生来の情熱と攻撃性、次男は優しさと無邪気な性格、そして三男は狡猾さと冷たさを受け継いだのだ。」 1972年3月、センセーショナルなバイオレンスシーンと、大いなる家族愛を並行して描き、映画史の記録を塗り変えた「ゴッドファーザー」は、1974年のより格調高い叙事詩「PARTII」とともに、不動の人気を得る事となる。
1972年「ゴッドファーザー」…。光ある所には影がある。ビトの強烈な生き様を暗示するかのような、暗く重々しい書斎とまばゆいばかりの結婚式。 言う事を聞かない映画プロデューサーへのドン・ビトからの挨拶、銃撃されるビト、入院中のビトを機転を利かし助けるマイケル、イタリアン・レストランでソロッツオと悪徳警部を撃ち殺すマイケル、のどかなシチリア島で妻を殺されるマイケル、マシンガンで乱射され壮絶死するソニー、野菜畑でのビトの大往生など、すでに語り尽くされた名シーンばかりの「ゴッドファーザー」だが、麻薬ビジネスを持ちかけてきたソロッツオとの会談で、後の抗争の火種となってしまう不用意な発言をするソニー、銃撃されたビトを守る事ができなかったフレドの苦悩をたったワンシーンで描写する、退院したビトのそばに人知れずひとり寄り添う優しい次男フレド、ファミリーが集うシーンでは必ず描写される子供や赤ちゃんの泣き声など、その何気ない自然な演出にこそコッポラの凄みを感じる…。
出演俳優たちを一躍スターダムに押し上げ、自らもトップディレクターとしての地位を確立する事となった世紀の名作「ゴッドファーザー」と続編「PARTII」。 コッポラは、その完全主義的な映画製作手法に自信を持ち、後の映画製作にも、それを活かそうとするが、映画の神様は気まぐれなのか、興行的失敗が続く。そして、コッポラ自身もお金を稼ぐ目的で作ったと公言しているように、構想になかった「PARTIII」を、90年に製作。 主要キャラクターの配役など賛否両論ある作品となったが、重厚感あふれる演出と、アル・パチーノの存在感は見事。ビト・コルレオーネが持っていた天性のカリスマを受け継ぐ事がなかった2代目マイケルの壮大な悲劇物語はここに幕を閉じるが、「PARTI」で強烈な印象を残した長男ソニーの息子ビンセントがマイケルの後を継ぎ、派手にやりそうな予感を残したラストが唯一の救いだ。
1986年リリース、国内初盤LD。2枚組3面、スタンダードサイズ版。175分表記。冒頭に「ディスク用映像」表記。上記米国初盤と同一マスター。
1986年リリース、国内初盤LD。2枚組4面、スタンダードサイズ版。200分表記。冒頭に「ディスク用映像」表記。上記米国初盤と同一マスターだが、米国盤にあったイタリア語字幕は日本語字幕へと差し替えられている。
1990年リリース、米国再発盤LD。2枚組3面、スタンダードサイズ版、171分表記。 ニューマスター仕様で、スタンダードサイズで見られる「ゴッドファーザー」最良の画質。 オリジナル劇場公開バージョン(?)と思われるクラシカルなパラマウントマーク(背景の雲のみ動くバージョン)で始まる唯一のディスク(ワイド/THX仕様LD、DVDは後年のパラマウントマークに差し替え済み)。このマスターを使用した国内盤LDは未リリース。
1990年リリース、米国再発盤LD。2枚組4面、スタンダードサイズ版、200分表記。 左記「ゴッドファーザー」と同じく、ニューマスター仕様で画質が良く、オープニングのパラマウントマークもクラシカルバージョン。このマスターを使用した国内盤LDは未リリース。 イタリア語の台詞には英語字幕付。
91年リリース、スタンダードサイズ版。劇場公開後、コッポラ監督が自らの手で新たなシーンを加えた劇場公開より9分(ジャケット表記)長い170分版SPECIAL EXTENDED LASERDISC VERSION(ディレクターズ・バージョン)。 オープニングのパラマウントマーク(DVDと同じく22個の星が移動しながら山の上に並ぶバージョン)含めて、1992年4月10日にリリースされた国内初盤LDと同一マスターを使用しているが、国内盤に付いていたチャプターは米国盤にはない。
スタンダードサイズ版。冒頭に「ディスク用映像」表記。劇場公開後、コッポラ監督が自らの手で新たなシーンを加えた劇場公開より8分長い170分 SPECIAL EXTENDED HOME VIDEO VERSION(ディレクターズ・バージョン) ※米国盤のジャケット表記では追加分9分表記だが、国内盤では8分表記となる。
ゴッドファーザー「PARTI」と「PARTII」を年代順に再編集し、本編でカットされた合計約1時間のシーンを復元したコルレオーネ家59年間にわたる大河ストーリー7時間3分の特別完全版。冒頭に「ディスク用映像」表記。4枚組LD、16ページ解説書封入。 復元されたシーンにより、場面ごとのつながりが明確になり登場人物の性格がより印象づけられる事となった。 若きビトが働いていた食料雑貨屋アバンダンドの店の息子ジェンコとのその後の関係。 「PARTII」で登場するマフィアの大物ハイマン・ロスとビト・コルレオーネとの若き日の関係。 落ち着きのない長男ソニー、マイケルの将来を気にかけるビト。銃撃され重傷を負ったビトの代わりに懸命に指示をだしながらも、書斎のビトの椅子に座ろうとしなかったソニー。妻アポロニアを殺した裏切り者のファブリツィオを探し出し、同じ手段で殺すマイケルなど、より克明な描写がドラマに深みを与えている。 ※特別完全版DVDは未発売(2004年5月時点)だが、特別完全版のみに収録されている復元シーンは2001年11月22日にリリースされたDVDの特典ディスク、未公開シーン(34シーン/合計55分49秒)でも見ることができる(※2008年10月3日リリースのブルーレイには未収録)。
「特別完全版」と「PARTIII」、そしてメイキングドキュメンタリー「ゴッドファーザー・ファミリー・ルック・インサイド」を加えての3作セットで発売された「コレクタ−ズ・セット ゴッドファーザー」。 「ゴッドファーザー特別完全版」は上記1991年1月に単品で発売されたものと同仕様の再発盤。 「ゴッドファーザー・ファミリー・ルック・インサイド」は、発売以前にもWOWOWでも放送されたが、約15分程カットされた短縮版であった為、オリジナル版(?)としては初公開のメイキングドキュメンタリー。 「ゴッドファーザー・ファミリー・ルック・インサイド」は映像資料としても貴重。ソニー役のオーディションを受けるデ・二ーロ、マイケル役を受けるマーチン・シーン。マイケル役の新人アル・パチーノの起用を撮影直後まで良しとしなかったパラマウント上層部と新人監督コッポラとの確執、さらに、長男ソニー役を演じたジェームス・カーンがマイケル役を演じるスクリーンテストなど、かなり興味深い内容だ。 「特別完全版」のディスクは4枚とも中ジャケットで収納(単品版は4枚のディスクを紙袋に収納)。 「PARTIII」本編ジャケットはジャケット右上のパラマウントマークがカラー版に変更され、裏ジャケットに値段表示が無い以外は単品盤と同じ。
2枚組4面、ワイドビスタサイズ版。175分表記。
2枚組4面、ワイドビスタサイズ版。200分表記。 シリーズ3作品ともビスタサイズ版初リリースとなるが、オリジナルは35mmスタンダードサイズ撮影のため、天地の情報量が初盤LDや特別完全版LDよりも少ない。
2枚組4面、ワイドビスタサイズ版。170分表記。 劇場公開後、コッポラ監督が自らの手で新たなシーンを加えた劇場公開より9分長い170分版SPECIAL EXTENDED VERSION(ディレクターズ・バージョン)。 1992年リリースの国内初盤LDでは追加シーンはジャケット表記8分だったが、このワイド版では9分と表記変更されている。