HELP! 4人はアイドル ヘルプ!
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ナンセンスかつシュールなギャグに溢れたスラップスティック・コメディ「HELP!」(1965年)

「ハード・ディズ・ナイト」で見せていた瑞々しさは消え、マリファナで想像力を刺激し、自分を見失い迷走していた頃のビートルズが出演した映画第2作。

ジョンは叫んだ!
ヘルプ! 助けて! だれかお願い!

ジョン・レノンにとっては、身も心も太らされて苦しみスターダムに甘んじていた時期、"太ったエルヴィス時代"でもあった。ビートルズであることの息苦しさをも訴えていたのだ。
「たまに落ち込んでも ビートルズのイメージの裏に隠されてしまった。僕は本気で"助けてくれ"と歌っていたのに誰も気づかなかった。」… 後のインタビューで、ジョンはこう語っている。

朝っぱらからマリファナを吸い、いつも4人だけの世界で笑ってばかり。
台詞なんか覚えず、いつもトリップしたまま撮影に入って何とかごまかしていたというのが「ヘルプ!」撮影時の舞台裏だったのだ。
日本公開タイトルにつけられた"4人はアイドル"というサブタイトルが今となっては皮肉な話だが、観客にとっては、動くビートルズが、それもカラーで見られるという、ただそれだけでよかったのだ。

しかし、そんな状況で作られたビートルズ映画であったにも関わらず、単なるアイドル映画で終わっていないところがビートルズの凄さでもある。
特筆すべきは、曲のイメージを映像化したプロモーション・ビデオ、ミュージッククリップの元祖(※)ともいわれている、タバコのスモークを使った演出や凝ったカメラアングルで撮られた楽曲シーンの素晴らしさだ。
(※)実際、プロモーション・ビデオは新曲を出すたびに、テレビに出演しなければならない事を疎ましく思ったビートルズが考えた手法でもあった。

1965年当時、地獄のようなコンサートツアーにより、4人は凄まじいストレスに晒されていた。
それは、とどまる事をしらないビートルズの音楽に対する創造性にとっては、邪魔以外の何者でもなかった。
やがて、コンサート活動に自ら終止符を打ったビートルズは、スタジオワークに専念。音楽の幅を飛躍的に広げていく事となる。
ちょうど、カブトムシがサナギから脱皮し、成虫になる過程のような時期だったのだろう。
ビートルズはアイドルからアーティストへと脱皮していくのだった。

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LD GALLERY
●国内初盤LD
1984年10月5日
Vestron Video/ポニー
<G88F5302>
●国内再発盤LD
1989年7月25日
パイオニアLDC<SM037-3361>
●クライテリオン盤LD
CLV版 1987年
ボイジャー社<CC2004L>
国内初リリース盤。冒頭にMPIマーク入り。スタンダードサイズ(1.33:1)収録 ジャケット表記90分(本編91分28秒版) チャプター付 デジタルステレオ音声。

曲目解説や1965年の日誌、「HELP!」トリビアクイズなどが掲載されたジャケットサイズ6ページ解説書封入。劇場予告篇などの特典映像は無し。若干発色が浅い。
7800円(消費税導入前)だった国内初盤を3811円(税込)で再発した国内盤。
盤面の切換え含め、初盤と同じマスターを使用しているようだが,、音量が若干大きいようだ。
解説書が6ページから表裏ペラにスケール(コスト)ダウン。またジャケットがシュリンク仕様に変更されている。

下記ボイジャー社クライテリオンCAV版の特典映像を省き、廉価版としてリリースされたCLV版LD。

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●クライテリオン盤LD
SPECIAL EDITION CAV版2枚組
1987年 ボイジャー社<CC2003L>

2枚組4面仕様のCAV版と1枚組2面のCLV版。
冒頭のMPIマークはクライテリオンマークに差替。スタンダードサイズ(1.33:1)収録 ジャケット表記92分(本編91分28秒版) チャプター付 デジタルステレオ音声。
国内盤と比べて確かに発色が良くなっているが、劇的に画質が向上しているという印象は受けない。
■HELP! SCRAPBOOK(CAV版特典映像)
・Original Theatrical Trailer
オリジナル劇場予告編(2分30秒)

未公開シーン収録のオリジナル劇場予告編
・Behind-the-scenes footage
戦場シーンでの舞台裏映像(1分21秒)

1965年5月3日〜5日、軍隊に護衛されながらレコーディングをしているという設定で、ロンドンのソールズベリー平原にて撮影された戦場シーン時のメイキングモノクロ映像。音声は映画のプロモーションで使われたラジオコマーシャルをかぶせている。
・The World premier
世界に先がけての初公開(1分31秒)

1965年7月29日に、マーガレット王女とスノードン卿も招き、ロンドン・パビリオンにて開催されたワールドプレミア時のニュース映像(モノクロ)。音声は同じく映画のプロモーションで使われたラジオコマーシャル(上記とは別バージョン)。
・Promotional materials & record covers
宣伝用資料、世界各国のレコードジャケットと楽譜

劇場用ロビーカードや各国のポスター、レコードジャケット静止画を多数収録
・Production photos 宣伝用スナップ写真
撮影合間にくつろぐビートルズのスナップ写真など貴重な静止画を多数収録
・Open-ended radio interview
自由解答によるラジオ・インタビュー

映画のプロモーション用にラジオ局に配られたビートルズのインタビューレコード。DJは決まった質問事項を読み上げるだけだが、リスナーには、あたかもビートルズがインタビューに答えているかのように聞こえるというもの。

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●国内スペシャルコレクションLD
CAV版2枚組
1988年11月25日
パイオニアLDC<SF098-1520>
●国内盤LD
デジタルリマスター[決定版]
1995年9月25日
VideoArts Music<VALJ-3429>
●デジタルリマスター[決定版]
発売キャンペーン 1995年
ビートルズ未発表VHSビデオ
2枚組4面仕様国内CAV版。冒頭にMPIマーク入り。スタンダードサイズ(1.33:1)収録 本編マスターはクライテリオンCAV版と同じもののようだ。ジャケットサイズ4ページ解説書封入。

■特典映像収録(スクラップブック)
上記クライテリオン盤に収録されている特典映像を文字メニュー含めてそのまま収録。
※静止画は一時停止をしないと、早送りのようにスピード再生してしまうという若干の仕様違い有り。
本編マスターはクライテリオン(CLV版)と同じもののようだが、冒頭のクライテリオンマークはVideoArts Musicマークに差替済み。
スタンダードサイズ(1.33:1)収録 ジャケットサイズ4ページ解説書封入。
ちなみに、ジャケットの写真は何故か逆版(権利の関係か、それとも旧盤との混同を回避する為か?)。

■特典映像
※上記クライテリオン盤に収録されている特典映像をそのまま収録。CAV版ではないので静止画の鮮明度が劣るが、ラジオ音声やインタビューには、新たに日本語字幕が付けられている。
また、1965年4月6日トゥイッケナム・フィルムスタジオで行われたキャロライン・アウォード授賞式の様子を収めたニュース映像BEATLES WIN CAROLINE AWARD(51秒)も新たに収録。
未発表映像ビデオプレゼントキャンペーン付。

→ビートルズ未発表VHSビデオの詳細はこちら

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DVD GALLERY
●国内初盤DVD [決定版]
1998年3月21日
日本コロムビア<COBY-90006>
1995年の国内盤LDデジタルリマスター[決定版]を特典映像含めてそのままDVD化(ジャケットの逆版までそのまま)。
スタンダードサイズ(1.33:1)収録 本編91分28秒版。冒頭のVideoArts Musicマークは削除。
同メーカーからリリースされていた「ア・ハード・ディズ・ナイト」の国内初盤DVD同様、メニューも無く、日本語字幕も消せない。
廃盤になり、一時期プレミア価格がついたが画質はかなり悪い。16ページ解説書も、LDに封入されていた4ページ解説書の内容と同じ。
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●米国盤DVD
1997年12月12日
MPI HOME VIDEO<DVD7081>
コードフリー、メインメニューおよびチャプターメニュー付。
音声/英語(ドルビーデジタルステレオ)・スペイン語(モノ)・フランス語(モノ)収録 字幕/英語・スペイン語・フランス語収録(字幕表示ON/OFF可)
冒頭のMPIマークは削除 本編91分39秒版。

同メーカーからリリースされていた「A HARD DAY'S NIGHT」同様、MPI HOME VIDEOがDVD用に新たにリストアした高画質盤。
鮮明で発色が良くコントラストも高い。クライテリオン盤LDに代表される、発色は良いがやや平板という画像ではなく、深みのある黒がフィルムライクな解像度の高さを感じさせる。
スタンダードサイズ(1.33:1)収録版では最高画質となる。
トールケースサイズ4ページ解説書封入。

■特典映像
・Filmmakers & Supporting Cast スタッフ・共演キャスト紹介(静止画情報)
・Theatrical Trailer オリジナル劇場予告編
・Film Set Footage
戦場シーンでの舞台裏映像(1分21秒)/世界に先がけての初公開(1分31秒/自由解答によるラジオ・インタビュー)収録(※クライテリオン版に収録されていた特典映像と同内容)
・Newsreels 1965年4月6日トゥイッケナム・フィルムスタジオで行われたキャロライン・アウォード授賞式の映像BEATLES WIN CAROLINE AWARD (51秒)(※国内デジタルリマスター[決定版]収録と同内容)と、1965年9月1日アメリカツアーを終えたビートルズを迎えるロンドン空港の様子LONDON AIRPORT GUESS WHO!(1分20秒)、2本のニュース映像を収録
・The Restoration Process リストアのプロセス紹介(テキストのみ)
・Other Beatles Titles 他ビートルズMPIリリース作品予告編集
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●国内再発盤DVD
2001年11月21日
EMIミュージック・ジャパン<TOBW3332・33>
最新のデジタル技術により新たにリストアされた本編ディスクに、特典映像ディスクをカップリングした2枚組。
上記、米国盤DVDと同様のフィルムライクな映像だが、フィルムに散在していたゴミや傷の除去はもとより、黒くつぶれてしまっている部分にもスポット的な映像処理を施している(※デジタル修復作業の詳細ドキュメンタリーにて紹介)。
スタンダードサイズの天地をかなりカットし、16:9の画面で視聴すると左右に黒帯の表示されるヨーロピアンビスタサイズ(1.66:1)にて収録。スタンダードサイズ版より左右の映像情報量が若干だが多い。
スタンダード(1.33:1)、ヨーロピアンビスタ(1.66:1)のどちらがオリジナルサイズか議論の分かれる所ではあるが、ファンならば上記米国盤DVD(DVD7081)と合わせて両サイズ所有がマストであろう。

メインメニュー、チャプターメニュー付
音声/英語DTS5.1chサラウンド(初収録)・英語リニアPCMステレオ
字幕/日本語字幕・英語字幕収録
(日本盤のみ日本語字幕収録・日本語解説書付)
※デラックス・エディションも同時リリースされたが、ディスクが専用ケースに封入されていないようなのでパス。

■DISC TWO/SPECIAL FEATURES 特典映像
・THE BEARLES HELP! ザ・ビートルズ・イン・「ヘルプ!」(29分34秒)
現在のリチャード(ディック)・レスター監督、撮影後オリエンタル系ガール好きのジョンの愛人となるカイリ教の謎の美女アーメ役のエリナー(エレノア)・ブロン、撮影デヴィッド・ワトキン、ヘアー&メークのベティ・グラソー、おなじみ二ール・アスピノールなどの貴重なインタビューが収録。
特に、ジョージが車と共に木にぶつかるシーンなどのビートルズのスタントを担当したピーター・チーヴァースと(ポール、リンゴと同じ左利きの)クリス・ディギンズの二人。車の窓をファンに開けられ“違った、こいつらビートルズじゃない、ただの人だ!”と言われたという話が笑える(※スタントなので同じ衣装を着ていたのだろう…)。

初公開となる本編撮影中のビートルズの映像と、過去のディスクに特典映像として収録されていたトゥイッケナム・フィルムスタジオで行われたキャロライン・アウォード授賞式(1965年4月6日)、ロンドンのソールズベリー平原にて撮影された戦場シーン(1965年5月3日〜5日)も一部挿入。
また、ロンドン・パビリオンにて開催されたワールドプレミア時(1965年7月29日)の映像で、リンゴがくわえタバコでリムジンから降りてくる姿が見られるが、これにはさすがに時代を感じる。

・THE RESTORATION OF HELP! 「ヘルプ!」のリストア(11分23秒)
リマスター版おなじみのデジタル修復作業の詳細ドキュメンタリー

・A MISSING SCENE 幻のシーン(3分59秒)
喜劇役者フランキー・ハワードがビートルズの4人とイキが合わず、カットされてしまった演劇スタジオのシーンについて、レスター監督や演劇スタジオの
生徒役で出演していた女優ウェンディ・リチャードが当時を語る。残念ながらスチールのみで映像は残されていないようだ。

・MEMORIES OF HELP!  「ヘルプ!」の思い出(6分26秒)
「A HARD DAY'S NIGHT」では神経質なTVディレクター、本作ではマッドサイエンティストを演じたヴィクター・スピネッティらが語る撮影裏話。
撮影中、溺れそうになったリンゴとエリナー(エレノア)・ブロンの話、また本職はビートルズのロードマネージャーで、映画「LET IT BE」でもちょこちょこ顔をだし“マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー”で調子っぱずれのハンマーを叩いていたマル・エヴァンスの繰り返しギャグのスイマーの話など、かなり面白い内容だ。
※マル・エヴァンスは1976年1月4日、ジョン同様、銃による悲劇で死去。

・2 US THEATRICAL TRAILERS 劇場予告篇アメリカ版2本
スタンダードサイズ収録 リストアされたオリジナル完全版予告篇(2分40秒)と、初収録の特別封切興行チケット版(35秒)

・SPANISH THEATRICAL TRAILERS 劇場予告篇スペイン版1本(1分16秒版)
ビスタサイズ収録 スペインテロップ版

・1965 U.S. Radio Spot #5 1965年のラジオスポット(1分)
メニュー画面左下のロビーカード、ジョージのシンバルを選択するとラジオスポットメニューへ遷移。1965年のラジオスポットが聞ける。
「A HARD DAY'S NIGHT」へ
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