アメリカでの配給はA BRENCO PICTURES。オープニングは「THE
HUMAN VAPOR」の英語タイトルのみ。クレジットロールが無く、エンディングにアメリカのテレビ映画のエンディングのように人物の映像とナレーションで佐多契子、三橋達也、八千草薫、土屋嘉男
主要4人のキャストが紹介される。 本多猪四郎、円谷英二等のスタッフクレジットは1枚のみ。
なお、水野の吹替とナレーションを担当しているのは、「ブレードランナー」で眼球製作者に扮したジェームズ・ホン。
1962年頃、フランケンシュタインの怪物を中心とした対決企画がアメリカから東宝に持ち込まれているが、この対決企画が、「怪獣大戦争」国内盤DVD収録の土屋嘉男のコメンタリーで語られている"復活したガス人間水野が藤千代を生き返らせるため、フランケンシュタイン博士を探すという、ハリウッドで書かれた「フランケンシュタイン対ガス人間」の台本"だったと思われる。
土屋嘉男は、プロデューサーの田中友幸から聞いた話としているが、この対決企画を元に1963年に、関沢新一によって書かれたのが「フランケンシュタイン対ガス人間」の検討用脚本であった事から、ガス人間と対決させるというプロットはアメリカから東宝に持ち込まれた段階で、すでに出来上がっていたものと推測される。
「ガス人間第1号/THE HUMAN VAPOR」のアメリカでの人気の高さが伺えるエピソードである。
●日本舞踊の音楽をはじめ、宮内國郎の音楽はすべて別の曲に差替えられている。
●佐野博士が水野の人体実験にかかった240時間は、Two Hundred
forty Hours, Ten days and Ten Nights,で同じ設定となっている。
●水野がガス人間に変身する際に左胸に手をあて精神統一する仕草は、外国のファンの間ではおなじみのポーズのようで、シカゴで行われたコンベンションに招かれた際、観客全員が同じポーズをとっていたのを見た土屋嘉男は、それが何の意味だかまったくわからなかった事。
また、「ガス人間」というタイトルがオナラのようでイヤだった事、海外版タイトル「THE
HUMAN VAPOR」を気に入っている事が「怪獣大戦争」国内盤DVD収録のコメンタリーにて語られている。