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2006年12月20日午後10時、当時スカパー!110の日本映画専門チャンネル、ハイビジョンシアターにて放送された第一作「ゴジラ」。
ニュープリント・デジタルリマスター版という事で放送されたが、2001年2月21日に東宝よりリリースされたDVDと同マスターと思われる。
「七人の侍」と同じように古いモノクロ作品だけに、フィルムの状態がそれほど良くないが、それでも東宝のDVDと画像比較すると、データ容量の違いは、遠景描写の細密感に現れている。
2007年9月より日本映画専門チャンネルで放送された黒澤作品は、すべて現存するハイビジョンマスターに対し、新たにデジタルリマスタリング処理を施した最高画質のマスターテープを使用したと謳っているように、そのほとんどがハイビジョンマスター化されているようだが、ゴジラシリーズはそこまでの丁寧なハイビジョンマスター化は行っていないようだ(すでに作業しているのかもしれないが…)。
ゴジラの存在が初めて確認された大戸島は、実際には三重県の鳥羽市石鏡町で撮影された。
いかにも孤島のように見えるが、マットペインティングなどとの合成技術を大胆に使い、孤島に見せているのだ。
そして、撮影には地元の住民がエキストラとして多数参加している。
「七人の侍」の"長老"と同じく、ここでも大戸島の"爺さま"として登場する高堂國典と一緒に画面に写っている住民などは完全なるエキストラだ。
ゴジラ目撃に対する初の感情表現演技を披露したのは、東宝名バイプレーヤー山本廉。
"ガイラと大ダコの闘い"を真夜中の海で目撃したのも彼であるが、そのリアクション演技は映画全体の緊張感を高める事に大きく貢献している。
水爆実験によって目覚めたゴジラ。
そのコンセプトは、ゴジラの頭部が核爆発によって発生する原子雲、いわゆるきのこ雲を元としてデザインされている事や、自ら発光するその体などに投影されている。
また、水棲爬虫類と陸上獣類の中間生態を持つ生物という事で、ゴジラは、鮫のような感情のない丸い眼と、魚類のような背ビレを持っている。
ゴジラの造形は、映画のコンセプトに忠実に創られていった結果なのであるが、これほどの存在感を持った空想の生物が生まれたという事、それは映画の神様が起こした奇跡に違いない。 (2008/05/18) |
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2006年12月20日午後10時 日本映画専門チャンネル放送
アスペクト 1.37:1 オリジナルスタンダードサイズ放送 97分
1954年11月3日 東宝公開
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
原作:香山滋
脚本:村田武雄/本多猪四郎
撮影:玉井正夫
美術:中古智
美術監督:北猛夫
編集:平泰陳
音楽:伊福部昭
アクション(スーツアクター): 手塚勝己/中島春雄
音響効果: 三繩一郎
特技・合成:向山宏
特技・美術:渡辺明
特殊技術:円谷英二
出演:志村喬 (古生物学者山根恭平)
河内桃子 (山根恵美子)
宝田明 (尾形秀人)
平田昭彦 (芹沢大助)
堺左千夫 (毎朝新聞記者萩原)
村上冬樹 (田辺博士)
山本廉 (新吉の兄政治)
鈴木豊明 (新吉)
馬野都留子 (新吉の母)
岡部正 (田辺博士助手)
小川虎之助 (船舶会社社長)
手塚勝己 (毎朝新聞デスク)
中島春雄 (変電所技師)
林幹 (国会委員長)
恩田清二郎 (大山代議士)
菅井きん (大沢婦人代議士)
榊田敬二 (大戸島村長)
高堂國典 (爺さま)
池谷三郎 (アナウンサー) |
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