映像は、2002年10月7日にリリースされた英国盤スペシャルエディションDVD、PAL方式・コード0を使用。
広川太一郎の吹替えは、いつものように口の動きとシンクロしていない部分が多く、さらには英国盤はPALマスターの為、映像と音声との微妙なズレが頻繁に発生してしまう。
これは、1〜3分単位でシーンごとに音声をかぶせてつないでいくしか復元する道はないのである。
スペシャル・エディション完全版の映像には未公開シーンが多々あるが(→ジャケット比較参照)、国内では未リリースの為、当然の事ながら、その未公開シーンの日本語字幕は存在せず英語そのまま。
また、ミック・ジャガー、ポール・サイモンらの声は放送時には字幕扱いであった為、通常ならばここは国内盤LDの字幕付映像を挿入する所だが、英国盤DVDと国内盤LDとの映像の差が激しく(もちろん国内盤が著しく良くない)、ここの音声も仕方なく英語そのまま。(この字幕部分は別紙オリジナル解説書として記載。)
国内版ではエリック・アイドル(レポーター)がラットル音楽のルーツを探し、ニューオーリンズのブラインド・レモン・パイ(実は有名なジェローム・グリーンというブルース・シンガー)とラットリング・オレンジ・ピールへのインタビューへ訪れたシーンの後に挿入されていたロンへの路上インタビューが、完全版ではダン・エイクロイド登場シーンの後に挿入されている為、国内版で、次のシーンにかぶさっていたニューオーリンズでのエリック・アイドルの最後のボヤキ台詞「リバプールの方へ、ひとまずカメラを移してみましょうか」が、完全版では削除されている。その為、映像巻末に、通常版との編集違いバージョンとして日本語音声を復元したものも収録。
テレビ放送版のエンディングは、映画「バック・イン・ザ・USSR」の宣伝をかねた広川太一郎のナレーションが挿入されていて編集が若干変わっていた。
テレビ放送ではエンディング・クレジットが流れる前に、この解説&予告編が流れエンディング前のエリック・アイドルからのミック・ジャガーへの問いかけをもう一度挿入し「ミック、どうしてビートルズは解散しなきゃならなかったのかね?」「またいつの日か一緒にやりだすかね?」と、ラトルズではなくビートルズ本人の事に変更し、再度質問するという編集を行っていた。
この番組最後に流れた広川太一郎のラトルズ解説と映画「バック・イン・ザ・USSR」の予告ナレーションも、特典音声として巻末に収録。
また、ジョンの未発表曲と間違われてビートルズの海賊版に収録されたといわれている「CHEESE AND ONIONS」も収録している。
というわけで、今回のこの「ザ・ラトルズ オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ/日本語吹替版DVD」。個人的にはかなり貴重な部類に入るのではないかと思うが、いかがなものか?
※吹替音源は90分カセットテープの切替り面の為、本編50分付近からのジョージ・ハリスンの、エリック・マンチェスター(マイケル・ペリン)へのインタビューシーンのうち、エリック・マンチェスターの台詞が数秒欠落。この部分の吹替音源さらにWANTED!(2004.2.15) |