1979年日本未公開作品「獨臂拳王勇戦楚門九子」。本編83分44秒。
コードフリー、ビスタスクイーズ収録。英語音声 字幕無し。ムービングメニュー、チャプター付。INSTA-ACTIONとしてジミー・ウォングの闘いのみを再生させる機能付。
監督/TSUI ZI HUNG
製作・主演/ジミー・ウォング
ジャケットには「獨臂刀」シリーズの写真が使われているが、本編にこのようなシーンはない。原題も"獨臂刀"ではなく"獨臂拳王"で、主人公はあくまでも片腕の拳のみで闘う完全な片腕ドラゴン物である。内容が時代劇であるためか、英語タイトルが“One
Armed SWORDSMAN”となっているのが、さらにまぎらわしい。
実にジミー・ウォングらしい作品である。
古龍の武侠片(武侠物)を思い起こさせる九人の敵が、次々とジミー・ウォングを殺しにくるが、ジミー・ウォングは迫り来る敵を余裕たっぷりと返り討ちにしていく。
そして、白装束に身を包んだジミー・ウォングがなんとも強くてカッコいいのだが、クライマックスには驚くなかれ、残った片腕を切られてしまうという片腕ドラゴン最大のピンチが待ち受けているのだった。
おそらくジミー・ウォングはこの衝撃のラストをやりたいがために、前作までの「片腕ドラゴン」シリーズとはまったくつながっていない過去の時代に背景を設定し、使う片腕までをも変えて別人にしたのだろう。
武侠片ヒーローを片腕ドラゴンが次々と倒していくという本作もそうだが、ジミー・ウォングの映画は脚本や演出よりもまずは企画ありき。あとはアイデアのみで突っ走り、成り行きとも思える強引な展開で終わるという粗っぽい作りの作品も多い。しかし、そこがまたジミー・ウォング映画の面白い所であり、人を惹きつけてやまない部分であるのだから不思議なものである。
やはりジミー・ウォングには、何か時代を超越したオーラのようなものがあるのだろう。
そうでなければ、これだけたくさんの映画が世にある中、ジミー・ウォングのトンデモ映画がいつまでも愛され続ける理由が説明できないのだ…。 |