ボディ・スナッチャー 恐怖の街   →SFボディ・スナッチャーへ (2009.5.24)
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昨日まで、いや、つい今しがたまでそこにいた人物が、外見は同じでも、まったく違う未知の生物にすりかわってしまう。 今、目の前にいる、愛する人は、一体誰なのか。
ジッと息を潜めた何かに狙われていると気づいた時、すでに街は別の世界へと変わってしまっていた…。

宇宙から飛来した植物(サヤ)が人間を複製し増殖していく恐怖を描いた50年代SF映画の古典的名作「ボディ・スナッチャー 恐怖の街」。
ジャック・フィニーのSF小説「盗まれた街」(1955年刊行)を職人監督ドン・シーゲルが1956年に映画化(国内劇場未公開)。後の侵略系SF映画や、ジョージ・A・ロメロ監督の「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」(1968)などにも、大きな影響を与えている。(→シーゲル監督「殺人者たち」はこちら)
(※ジョー・ダンテ監督の「グレムリン2」にもクリストファー・リーがこのサヤを持って現れるオマージュシーンがあった。)

サヤから生まれた複製が完成すると、おそらく本人の肉体は破壊されるのだろうという台詞のみで状況を説明してしまうイージーさや、すりかわった街の人々の異質さが今ひとつ感じられないといった、低予算なりの雑な展開も目につくのだが、それよりもなによりも、恋や欲望、野心や信頼さえなければ人生は楽になる。悩みのない世界に生まれ変われるのだ、と誘いをかける侵略者と、感情のない本能だけの生き物になる事が幸せなのか?と拒絶するマイルズ(ケヴィン・マッカーシー)とベッキー(ダナ・ウィンター)のやりとりに見られるような哲学的・宗教的なメッセージの内在こそ、本作を50年代SF映画の名作といわしめている所以であろう。
※一説によると、ハリウッドの赤狩り(共産主義者の追放)の影響下にある作品ともいわれている。

撮影期間は19日間、製作費は当時の金額で30万ドル(本編80分) 。
製作はウォルター・ウェンジャー、脚本は(共産主義者としてブラックリストにのせられていたらしい)ダニエル・メインウェアリングとドン・シーゲルの共同作業によるもの。また、ガソリンスタンドの店員役で出演しているサム・ペキンパーが、脚本のリライトをしたともいわれている。(※シーゲル監督はこれを否定している。)

本編は、錯乱状態で病院に収容されたマイルズが、事の顛末を語り始めるプロローグと、マイルズの話を聞いてもなお信じようとしなかった病院の医師が、マイルズの話と同じ巨大なサヤを見たという救急隊員の話にようやく真実だと気づき、FBIに救援を要請しようとするエピローグからなる回想形式で描かれている。
しかし、このプロローグとエピローグ、実は、映画会社上層部からの、救いのあるラストへの変更要請に対応するためのもので、後から追加撮影され、付け足されたものであった。
変更前のドン・シーゲル版は、現在進行形の展開で、マイルズがハイウェイで「侵略は始まっている。次は、君らの番だ!」と警告するシーンで終了し、地球はやがて侵略されてしまう事を暗示させるエンディングだったという。
ちなみに、このプロローグとエピローグのないディレクターズカット76分版は、1979年にヨーロッパやアメリカの一部で、実際に上映されているとの事。
是非、ブルーレイに収録してリリースしてほしいものだ。(2009.05.24)

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LD GALLERY
※初版 ※ジャケット変更版
●INVATION OF THE BODY SNATCHERS
クライテリオン盤 Special Edition LD CAV版 2枚組3面
1987年 ボイジャー社 Criterion Collection #8<CC1108L>
※CLV版2面有り 1989年<CC1174L>
●国内初盤LD
オリジナルモノクロ版
1994年8月21日
東北新社 <STLI-1035>
オリジナルシネスコサイズ(2.35:1)収録 本編80分版

<特典映像(巻末)> MAURICE YACOWARによる音声解説/劇場予告篇/スチュワート・カミンスキーによるドン・シーゲル監督へのテキストインタビュー/シネスコサイズ比較デモ/参考文献紹介
トリミングTVサイズ(1:1.33)収録
本編80分版 ・英語モノラル音声
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●米国盤LD
1992年2月20日<LV22018>
REPUBLIC PICTURES HOME VIDEO
●国内再発盤LD
※カラーライズ版
1998年1月25日
ビームエンタテインメント<STLI-3035>
オリジナルシネスコサイズ(2.35:1)収録
特典映像含む103分ジャケット表記 本編80分版
サイド2冒頭にもLaserVision表記有り
<COLLECTOR'S BONUS>
・本編冒頭にテレビサイズ版オリジナル劇場予告篇
・巻末にケヴィン・マッカーシー スペシャルインタビュー(カラー11分30秒)収録
トリミングTVサイズ(1:1.33)収録
本編80分版(実測84分46秒版)
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DVD GALLERY
●国内盤DVD
※カラーライズ版
2001年10月17日
カルチュア・パブリッシャーズ<PCBX-50261>
トリミングTVサイズ(1:1.33)収録(※オープニングクレジットタイトル部分のみ天地帯付のワイドサイズにて収録)、ジュエルケースサイズ見開き解説書封入。
日本語字幕ON・OFF不可。基本的にはカラーライズ版LDと同内容だが、DVDにはチャプターメニュー、スタッフ・キャスト紹介(テキスト&静止画情報)収録。
本編80分版だが、コンピューター画像処理によるカラーライズの影響か、再生スピードが若干遅く、本編実測84分46秒版となる。
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<ボディスナッチャー物> 宇宙船の襲来 I MARRIED A MONSTER FROM OUTER SPACE
●国内盤LD
1986年7月25日
パイオニア<SF078-1102>
※1958年作品 製作・監督/ジーン・ファウラー・ジュニア 本編オリジナル78分版。
トリミングTVサイズ(1:1.33)収録※オリジナルはアメリカンビスタサイズ(1:1.85) 解説書封入

撮影期間は8日間、製作費は当時の金額で17万5千ドルという低予算映画。
「ボディスナッチャー/恐怖の街」と同じく国内劇場未公開作品。


1957年「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」は、異星人によるコミュニティ単位での侵略が描かれるが、本作「宇宙船の襲来」は結婚式前日に異星人に体をすりかわられてしまったビル(トム・トライオン)と結婚した妻、マージ(グロリア・タルボット)の視点から描かれる。
原題"I MARRIED A MONSTER FROM OUTER SPACE"「私は外宇宙からきたモンスターと結婚した」という一人称のタイトルも、マージのパーソナルなストーリー展開から想起されたものだ。

※ちなみに、どこにでもいる等身大の家族から見た異星人による地球侵略の危機を描いたのはシャマラン監督「サイン」。そして、シャマラン監督が「サイン」をつくるにあたって参考にした映画は「ボディ・スナッチャー」でもあった。

滅亡を迎えたアンドロメダ星雲の惑星から、地球にやってきた異星人たち。
太陽光線の影響により女性が死に絶えてしまった異星人は、絶滅を避けるため人類との間に子孫を残そうと目ろんでいた。
そして、結婚間近の男性にすりかわり、妻となる女性に近づいていたのであった。

稲妻の光の中、夫マージの顔に浮かび上がる奇怪な異星人。今やホラー映画にはお約束的なシーンではあるが、妻マージの行く末を暗示するかのような、新婚初夜のその時に、という使い方が効果的だ。
モクモクとたちこめる黒い煙による“すりかわり”や、ゼリーを20リットル使ったという(マグマ大使の)人間モドキのような異星人の最期など、その特撮は50年代なりのチープなものではあるが、ビルとその友人にすりかわった異星人たちが、それほどの悪に描かれているわけではなく、むしろ、そのおかれている境遇にどこか悲哀と同情を感じてしまう作りがユニークで面白い。

50年代のSF映画を代表するボディスナッチャー物のひとつだが、国内盤DVDはいまだ未発売である(米国盤DVD有り)。
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SFボディ・スナッチャー INVATION OF THE BODY SNATCHERS

1980年作品。「ボディ・スナッチャー 恐怖の街」のリメイクであり、「盗まれた街」の二度目の映画化。監督はフィリップ・カウフマン。本編115分版。 オリジナルにもまして評価の高いリメイク作品。

主演はお騒がせジャック・バウアー=キーファー・サザーランドの実父、ドナルド・サザーランド。
スポックことレナード・ニモイ、「ザ・フライ」ジェフ・ゴールドブラム、「エイリアン」ヴェロニカ・カートライト、「デッドゾーン」のブルック・アダムス、チョイ役でロバート・デュバル(何故ここに…?)など、うれしくなるような脇役が映画を締める。
そして極めつけは、ケヴィン・マッカーシーとドン・シーゲル(タクシーの運転手役)のオリジナルコンビのカメオ出演。特に、ケヴィン・マッカーシーが、「侵略は始まっている。次は、君らの番だ!」と、車にぶつかりながら警告するというオリジナル同様の役柄(マイルズ)で出演しているのが、たまらなくうれしい。

宇宙からの侵略者、人類への脅威というオリジナルの設定を活かしながら、すりかわられてしまった街の人々の薄気味悪さをドキュメント風に淡々と描写していく。
オリジナル版では、複製が完成するとおそらく本人の肉体は破壊されるのだろう、という台詞のみの説明だったシーンが特撮によってしっかりと描かれ、また、その処理方法も伏線として映画の中に散りばめられている。
人面犬や怪奇な雄叫びなど、シュールな映像も強く印象に残る。(2009.05.24)
●国内初盤LD
1985年9月25日
ワーナー・パイオニア<08JL-99308>

※解説書封入
●国内再発盤LD
1994年8月25日
ワーナー・ホーム・ビデオ<NJL-50297>

※解説書無し
●米国盤LD ワイドサイズ版
1995年2月21日
MGM/UA Home Video<ML105134>
トリミングTVサイズ(1:1.33)収録  本編111分(※PALマスター早回し版)
ユナイテッド・アーチスツ、初期バージョンのクレジット収録
アメリカンビスタサイズ(1.85:1)収録 本編オリジナル115分版
上記国内TVサイズ盤LDとはマスター違いのワイド版収録(※ワイドサイズ国内盤LDは未発売)。
巻末にオリジナル劇場予告篇収録
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●MGMホラー・パック
【キャリー】&【SFボディ・スナッチャー】
国内初盤DVD 1999年12月17日
ワーナー・ホーム・ビデオ<SD-6-B>
アメリカンビスタ(1:1.85)・ノンスクイーズ収録 本編オリジナル115分版
音声:オリジナル英語(ドルビーサラウンド)
字幕:日本語・英語字幕
メニュー画面、チャプターリスト、オリジナル劇場予告篇収録
※20世紀フォックスより廉価版再リリース有り
※スクイーズ収録の米国盤Collector's Edition 2007年8月7日発売
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ボディ・スナッチャーズ BODY SNATCHERS ※3度目の映画化

●国内盤LD<ワイド>
1994年8月25日
ワーナー・ホーム・ビデオ<NJWL-13027>
1993年作品。本編88分。アベル・フェラーラ監督 ガブリエル・アンウォー主演
シネスコサイズ(1:2.35)収録 解説書封入 「盗まれた街」の3度目の映画化。(ほとんど記憶に残らなかった作品だが…)

インベージョン THE INVATION  ※そして4度目の映画化

2007年作品 オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督
ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ主演
WOWOWハイビジョン視聴
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