ジミー・ウォング/獨臂刀 “片腕必殺剣” シリーズ(2007.10.20) 「片腕ドラゴン」へ→
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1967年ショウ・ブラザースにより製作公開され、香港映画史上初、100万ドルの興行収入を記録した大ヒット作品「獨臂刀」。ジミー・ウォングはこの初主演作品により、一躍“天皇巨星”と呼ばれる大スターへと駆け上がった。(「獨臂刀」詳細はこちら→)
「獨臂刀」は、日本映画「座頭市」の影響を受けた作品でもある。盲目というハンディキャップを克服し、はびこる悪を斬りまくるヒーローが活躍する座頭市シリーズは当時の香港で大ヒット。そして、この盲目というハンディキャップを片腕のヒーローにすげかえたものが「獨臂刀」“ドゥビーダオ”である。
記録的な大ヒットとなった「獨臂刀」は、当然のごとく「獨臂刀王」などの続編が作られシリーズ化されたが、当時の日本では、香港映画をサーカスのような映画と見下していたような所もあり、興行的に商売にならないとジミー・ウォング「獨臂刀」はまったく無視されていたのであった。

そしてアジアのスーパースター、ジミー・ウォングが日本の映画ファンの前に初めてその姿を現すのは「獨臂刀」の大ヒットから約4年後の1971年1月13日。勝新太郎に招かれ、本家「座頭市」シリーズ第22作「新座頭市 破れ!唐人剣」にゲスト出演した時の事であった。
当時の日本における知名度はほとんどゼロに近かったジミー・ウォングではあったが、その役柄上からもどこか寂し気な表情と、内に秘めた強さを持った獨臂刀の魅力的なキャラクターは、日本の映画ファンの心に強く残った。

また「新座頭市 破れ!唐人剣」の香港公開版、獨臂刀シリーズの番外編として扱われている「獨臂刀大戰盲侠」では、座頭市が破れるという別バージョンのエンディングであった。
国内公開当時から香港公開版の別バージョンの存在は知られていたが、2003年11月東京国際ファンタスティック映画祭のゲストとして来日した際のジミー・ウォングの特別インタビューでは、香港版のエンディングは座頭市は倒れるが生死は不明のままで、王剛がそのままその場を去って行くというものであったと語られている。
しかし、座頭市破れるバージョンの香港公開版は国内盤DVDの特典「解説!座頭市vs獨臂刀」にも記載があるように、そのフィルム原版を香港側に渡したまま、それに関わる一切の資料も日本には残っていないという事である。

※2003年10月24日に発売された「新座頭市 破れ!唐人剣」国内盤DVDの特典"解説!座頭市vs獨臂刀"の解説文は、本ホームページのギャラリーコラム 「第6回(2001.02.03) チャンバラアクションの2大傑作!ここにあり!…」「第13回(2002.02.06) 片腕ドラゴン登場! 君は不滅の天皇巨星…」「第20回(2003.03.22)獨臂刀 THE ONE-ARMED SWORDSMAN…」に掲載の文章とごくまれに似ている記述の部分がありますが、もし本ホームページを参考にしたという事であればたいへんうれしく思いますので今後もどんどんご使用ください。

座頭市をも破る武勲を持つ男、方剛/ファン・カン(「破れ!唐人剣」では王剛/ワン・カン)、片腕の剣士「獨臂刀」。監督・脚本は、武侠映画・香港映画界の巨匠、張徹/チャン・ツェー。香港映画を語る上では、避けて通れない名作である。
※本文章はギャラリーコラムの関連文章を、一部修正・加筆・編集したものです。(2007.10.20)

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獨臂刀 片腕必殺剣シリーズ
獨臂刀 系列
One-Armed Swordsman
TRILOGY<102868>
●シリーズ第1作「獨臂刀」 香港盤DVD
2004年8月5日 INTERCONTINENTAL VIDEO<103117>
●シリーズ第2作「獨臂刀王」
Return Of The One-Armed Swordsman
香港盤DVD 2004年8月5日
INTERCONTINENTAL VIDEO
<102967>
●シリーズ第3作「新獨臂刀」
New One-Armed Swordsman
香港盤DVD 2004年8月5日
INTERCONTINENTAL VIDEO
<103063>

※ジミー・ウォング未出演
「新獨臂刀」詳細はこちら→

シリーズ3作品をDVD-BOX化したデジタルリマスター香港盤「獨臂刀」トリロジー。
いずれもコード3、シネスコスクイーズ収録、北京語音声、英語・中国語(繁体字)字幕収録。

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●シリーズ第1作「獨臂刀」The One-Armed Swordsman (1967年)。
■本編111分。予告編集:ニュートレーラーのみ収録※香港版オリジナルトレーラー未収録 (「金燕子」「少林五祖」等の他DVDリリース香港映画予告編収録)。 ■映画資料:フォトギャラリー(撮影シーン、ムービースチールなど貴重な静止画収録)、オリジナルポスター静止画、プロダクションノート、バイオグラフィー・フィルモグラフィー ■ジミー・ウォングやティ・ロン、ジョン・ウーなどの香港映画人が語るチャン・ツェー監督についてのドキュメンタリー ■学生による「獨臂刀」アニメーション化コンペティションの優秀作品4本を収録
※獨臂刀フィギュアクーポン付。ちょっと欲しかったりする…。

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●前作の大ヒットを受けて製作されたシリーズ第2作「獨臂刀王」Return Of The One-Armed Swordsman (1968年)。
■本編101分。予告編集:ニュートレーラーのみ収録※香港版オリジナルトレーラー未収録 (他DVDリリース香港映画予告編収録)。 ■映画資料:フォトギャラリー(撮影シーン、ムービースチールなど貴重な静止画収録)、オリジナルポスター静止画、プロダクションノート、バイオグラフィー・フィルモグラフィー

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●ショウ・ブラザース作品としての「獨臂刀」シリーズ第3作「新獨臂刀」New One Armed Swordsman (1971年)。二代目獨臂刀デビッド・チャン(姜大衛)登場編。
■本編94分。予告編集:ニュートレーラーのみ収録※香港版オリジナルトレーラー未収録 (他DVDリリース香港映画予告編収録)。 ■映画資料:フォトギャラリー(撮影シーン、ムービースチールなど貴重な静止画収録)、オリジナルポスター静止画、プロダクションノート、バイオグラフィー・フィルモグラフィー

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●「獨臂刀」 邦題:片腕必殺剣
The One-Armed Swordsman
国内盤DVD 2005年10月5日
キングレコード<KIBF2531>

シリーズ第1作「獨臂刀」The One-Armed Swordsman (1967年)。
国内未公開作品初ソフト化のため、邦題は「片腕必殺剣」となった。
本編111分。シネスコスクイーズ収録。北京語モノ音声、日本語字幕収録。チャプター、キャスト/スタッフ紹介収録。特典映像として香港版オリジナルトレーラー、ニュートレーラー、フィルムギャラリー収録。
香港盤と同じデジタルリマスター版で画質はかなり良い。本家香港盤には何故か未収録だったオリジナル劇場予告編収録。国内盤独自の解説書付で、チャプターやディスク仕様が裏に記載されたオリジナル香港版ミニポスターも封入。

日本語字幕により、片腕の剣士、方剛/ファン・カンの父親が使用人だった事や、師匠の神刀大侠チー・ルーフォンとその娘チー・ペイ、そしてファン・カンを助ける村の娘シアオマンといったキャラクターの心の機微がより理解できるようになり、面白さが増した。
伊福部昭チックな音楽と重厚な雰囲気が、大映映画「座頭市シリーズ」の影響下にある事をうかがわせる。父の形見の折れた刀が写る度に、同じ音楽がかぶさるのが効果的で印象深い。

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●「獨臂刀王」 邦題:続・片腕必殺剣
Return Of The One-Armed Swordsman
国内盤DVD 2005年10月5日
キングレコード<KIBF2532>

シリーズ第2作。デジタルリマスター版。第一作と同じく日本未公開作品「獨臂刀王」(1968年)。
本編101分。シネスコスクイーズ収録。北京語モノ音声、日本語字幕収録。チャプター、キャスト/スタッフ紹介収録。特典映像として香港版オリジナルトレーラー、ニュートレーラー、フィルムギャラリー収録。

シリーズ第2作にして、すでにジミー・ウォング映画の面白さが凝縮している快作となっている。前作のラスト、武術界から足を洗い、妻のシアオマン(チァオ・チァオ)と農業を営みながら平和に暮らしていた獨臂刀ファン・カン大侠だったが、彼に安らぎが訪れる事はなかった…。

覇王城に住む無相王リン、大力王チァオ、毒龍王トァン、転輪王ソン、天遁王トン、地蔵王シー、通臂王ユエン、先手王ファからなる八人の凶暴な悪の武闘集団、八大刀王との闘いを軸に、"空とぶギロチン"のようなアイデアあふれるさまざまな武器やワイヤーアクションを駆使したアクロバチックな殺陣で、最後まで飽きさせない。
そして、企画とアイデアのみで突っ走る、後のジミー・ウォング映画と一線を画しているのが、ファン・カン夫婦のロマンス、再び武侠家の闘いに戻る決意をするまでのファン・カンの心の揺れや殺し合う事に虚しさを感じ「獨臂刀王」の名を自ら捨てるエンディングなど、随所に見せる張徹(チャン・ツェー)監督の演出の巧さであろう。

左手を上に掲げるおなじみの獨臂刀ポーズも決まり、獨臂刀同士の対決がすでに行われているのもファンにとっては興味深い所だ。また、オープニングタイトルには「007は二度死ぬ」(1967年)チックな音楽も聞ける…。

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●「獨臂雙雄」
ONE ARMED SWORDSMEN
米国盤DVD
2003年8月19日
VideoAsia
1976年日本未公開作品。本編109分27秒。
コードフリー、ビスタ・ノンスクイーズ収録、英語吹替音声のみ、字幕無し。

特典映像として本DVDのホスト役のフィリップ・コー(高飛)インタビュー(約15分)、ショウ・ブラザースの舞台裏を描いたドキュメンタリー映画「FISTS OF FIRE」(約29分)、 ジミー・ウォングインタビュー(約7分)収録。INSTA-ACTIONとして闘いのシーンのみを再生させる機能付。
監督・出演/ジミー・ウォング、
共演/デビッド・チャン

初代片腕剣士ジミー・ウォング(王羽)と二代目片腕剣士デビッド・チャン(姜大衛)、夢の共演。ライバルの二人は、やがて手を組む事となるが“ONE ARMED SWORDSMEN”とタイトルが“片腕の剣士達”と複数になっている事からもわかるように、本作にはさらに謎の片腕剣士がもう二人登場し、獨臂刀、片腕剣士のオンパレード映画と化している。
特に新旧二人の獨臂刀が並び立つシーンはそれだけで絵になり、崖上での二人の対決にも工夫があり、単なる顔見せだけでは終わっていない。

自分がやりたいと思った事、面白いと思った事はどんな事をしてもやり遂げるジミー・ウォング。どう見てもジミー・ウォングの方に分があるように見えるのは仕方がない所であろうが、デビッド・チャンが遠慮気味なのがちょっと面白い。

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●香港版VHS
海洋録影リリーステレビサイズ
國語音声、北京語・英語字幕付
●米国版VHS
1998年7月9日
泰盛影視
●米国盤DVD
2007年6月19日
Dragon Dynasty
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獨臂刀シリーズ番外編 「新座頭市 破れ!唐人剣」“獨臂刀大戰盲侠”
●ZATOICHI MEETS
THE ONE ARMED SWORDSMAN
英国盤DVD
2002年2月25日
ARTSMAGIC,LTD.<WAO23D>
「新座頭市 破れ!唐人剣」、ZATOICHI MEETS THE ONE ARMED SWORDSMAN。
画質は良くないが、正式版としては世界で初めてのソフト化。
PAL方式、コードフリー。本編95分表記だが実際は94分。シネスコサイズ・ノンスクイーズ収録。日本語オリジナル音声収録、英語字幕表示ON/OFF不可。
オープニングは「東宝マーク」に差し変わっている。
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●新座頭市 破れ!唐人剣
国内盤DVD
2003年10月24日
東宝<TDV2740D>

国内初ソフト化。本編94分。スクイーズ収録。チャプターメニュー、劇場公開時の表記を再現した縦字幕と通常の横字幕、字幕無しの字幕モード選択可能。特典映像として、劇場予告編、スチールコレクション、解説!座頭市vs獨臂刀、スタッフ・キャスト一覧収録。
劇場公開版の「DN ダイニチ映配株式会社 提供」「製作 株式会社勝プロダクション」オープニング。

1971年1月13日国内公開作品。それぞれがシリーズの主役をはる者同士の対決!「座頭市対獨臂刀」。座頭市最大のヒット作「座頭市と用心棒」も忘れてはいけないが、映画的な面白さはこちらの方が断然上。

言葉がわからないゆえの誤解から戦わねばならなくなってしまう座頭市と王剛!その息詰まる対決はどちらが勝ってもおかしくない展開だ。アクロバチックな王剛の動きに、さすがの座頭市もいつもとは勝手が違うようだ!
何故、獨臂刀の刀が短いのかは、シリーズ第一作で語られている。
コメディリリーフ役のてんぷくトリオ、特に故三波伸介演じる「波の市」。南原宏治演ずる悪玉和尚(覚全)などの脇役も存在感がありメリハリが効いている。

ふたりともハンディキャップを持ったキャラクターという事、権利関係が複雑な事、香港公開版の「獨臂刀」勝利バージョンのフィルムが所在不明な事などから、日本はおろか香港、台湾などの東南アジアでも一切ビデオ化されずにいた。
※1977年〜78年頃に地上波(フジテレビ系)で一度放送されたあと、1999年頃にCS衛星チャンネルで放送されたが、正式なソフトとしてのリリースは2002年2月25日の英国盤DVDまで待たなければならなかった。

香港では「獨臂刀大戦盲侠」として「ドラゴン危機一発」と同年の1971年2月5日に公開され、配収第4位のヒット!ハンディキャップヒーロー同士の対決は、後の「片腕カンフー対空とぶギロチン」の空とぶギロチンを操る盲目の達人フン・シェンにも受け継がれていく。
ちなみに、香港、台湾には勝新太郎のそっくりさんも出没している(詳細はこちら→

「片腕ドラゴン」シリーズへ→
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