ヒッチコック サイコ  PSYCHO
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「サイコ」はサスペンス・スリラー映画
4万ドルを横領し逃げる女、マリオン。
映画前半のサスペンスフルな逃走劇は、マリオンが立ち寄ったモーテルから一転し、非日常的なスリラーへと変わっていく。
そこはベイツ・モーテル、経営者は一見好青年。
モーテル裏の小高い丘に建つ古い屋敷には、口やかましい病気の母親がいるようだ。

「サイコ」はショッカー映画
シャワールームで惨劇が起こり、マリオンは眼を見開いたまま絶命する。
ワンカット一刺しという錯覚を受けるスピーディなカット割り、切り裂くようなバーナード・ハーマンの音楽。息を呑むようなシャワールームの惨劇は恐怖映画史に残る名シーンである。
大胆なカメラワーク、光と影を使った心理的な恐怖に訴えかけるヒッチコックの演出は、古くささをまったく感じさせない。
ちなみに、絶命後のマリオン(ジャネット・リー)の眼。死人なのに瞳孔が開いていないと、眼科医に指摘されたヒッチコック。それではとばかりに1970年の「フレンジー」では瞳孔を開く目薬を使い、死人の眼を再現した。
そして、バーナード・ハーマンの音楽はピクサーの「ファインディング・ニモ」などの映画やバラエティなどで現在でもパロディネタになっている。

「サイコ」はレッドへリング映画
前半の逃走劇、逃走を怪しむ警官、病気の母親、殺されるヒロイン…
マリオンの話と思わせておき、いつのまにかノーマン・ベイツの話になっていく。
「サイコ」は予想を事ごとく裏切る、大きなレッドへリング=ミスディレクションによって構成されている。
(レッドへリングについてはこちら
)
劇場初公開時は、「シックスセンス」のように口外(ネタバレ)禁止、さらに途中入場禁止とされた。

「サイコ」は精神病を扱った映画
1886年ロバート・ルイス・スティーブンソンによって書かれた小説「ジキル博士とハイド氏」に代表される"二重人格"という精神病を、本格的に扱った最初の映画でもある。
「白い恐怖」「めまい」といった、ヒッチコックが好んで取り上げた異常心理スリラーという題材をさらに掘り下げて描いたものとなる。
ちなみに、1957年に発覚したエド・ゲインの猟奇殺人事件をインスピレーションとした作品としても知られているが、同じく「サイコ」から14年後に作られた「悪魔のいけにえ」<詳細はこちら
>(1974年)、30年後に作られた「羊たちの沈黙」(1990年)もエド・ゲインの猟奇殺人事件を題材としているといわれている。

そして、「サイコ」は映画のジャンルとなった
多重人格やストーカーなどの異常心理をテーマとする作品は、その後も数多く作られ、“サイコ物、サイコ・サスペンス物”と呼ばれるようになった。

「サイコ」はヒッチコック61歳、1960年の作品。
前作が「北北西に進路を取れ」<詳細はこちら
>(1959年)、次作が「鳥」(1963年)という、この時期のヒッチコックはまさに黄金期。
その発表する作品が、後の映画界に“巻き込まれサスペンス”“動物パニック映画”というそれぞれのジャンルを確立してしまうという凄まじい創造力であった。(2010.01.24)

→LD・DVDトリミング画角比較はこちら
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LD GALLERY
●米国ディスコビジョン初盤LD
1981年10月<11-003>
MCA DISCO VISION
●米国再発盤LD
1984年<11003>
MCA HOME VIDEO
●米国再々発盤LD
1988年<11003>
MCA HOME VIDEO
108分 テレビサイズ収録。
CAV版もリリースされていたようだ。
※DISCO VISIONに関してはジョーズ参照
108分 ビスタサイズ版より天地の情報量が多いテレビサイズ版収録 チャプター付。
写真右・再々発盤サイド2の巻末(チャプター5)にはオリジナル劇場予告編(6分29秒 ヒッチコック案内版)が収録されているが、写真左・再発盤には収録されていない。
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●国内初盤LD
パイオニアLDC<SF078-0091>
●国内エバーグリーンシリーズ(廉価盤)
1989年5月25日
パイオニアLDC<SF047-1588>
●国内再発盤LD
ジャケットリニューアル版

1989年<SF047-1588>

※ジャケット違い以外、初盤LDとほぼ同仕様

108分 チャプター付。 上記MCA版LD同様、ビスタサイズより天地の情報量が多いテレビサイズ版にて収録。 冒頭のUNIVERSAL AN MCA COMPANY のクレジット表記の画像が悪いが本編自体のマスターは同じもののようだ。
※ヒッチコックライブラリー和田誠・山田宏一対談「ヒッチコックについて語ろう」シリーズ解説書封入(ジャケットサイズ4ページ)。 ※劇場予告編未収録
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●Signature Collection
米国THX-LD盤
1998年5月26日
MCA/Universal Home Video<43105>
●スペシャルコレクション
国内THX-LD盤
1999年3月25日

パイオニアLDC<PILF-2706>
108分 THXニューマスター版 ビスタサイズ(1.85:1)収録。
サイド1・2はCLV、サイド3〜5はCAV収録。
・本編アナログ音声にバーナード・ハーマンによる音楽のみ収録
・国内盤にはヒッチコック監督のサイン入りジャケットサイズ8ページ対訳付解説書封入
その他の特典映像は国内初盤DVD(SUD-30356)に収録されているものとほぼ同内容となる。
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●アルフレッド・ヒッチコックの世界
オリジナル・予告編集「愛蔵盤」LD
1992年2月21日

創美企画<SHLY-14>
ヒッチコック監督が自ら編集・製作を手がけた主要20作品の予告編集LD。
予告編史に残る傑作「サイコ」が初めて国内ソフト化されたディスクとなる。
【収録作品】
レベッカ、断崖、逃走迷路、疑惑の影、白い恐怖、汚名、パラダイン夫人の恋、ロープ、山羊座のもとで、ダイヤルMを廻せ、裏窓、泥棒成金、知りすぎていた男、ハリーの災難、めまい、北北西に進路を取れ、サイコ、鳥、マーニー、引き裂かれたカーテンの計20作品。
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DVD GALLERY
●国内初盤DVD
コレクターズ・エディション
2000年2月25日
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ジュエルケース版<SUD-30356>
対訳解説書封入
●国内再発盤DVD
コレクターズ・エディション
2002年8月1日
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
トールケース版<BUD-30356>
※ピクチャーディスク仕様
<国内初盤DVD>
ノンスクイーズ ビスタ(1.85:1)仕様 チャプター付。
音声:英語(ドルビーデジタルモノラル)収録
※日本語吹替未収録
字幕:日本語・英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・タイ語字幕収録

※ピクチャーディスク仕様ではない


■特典映像※映像内容に関しては国内盤DVD<UJGD-30356>参照
※印は日本語字幕未収録のため対訳付解説書(ジュエルケースサイズ、カラー10ページ・モノクロ4ページ2種類)封入
・メイキング・オブ・サイコ(94分12秒)
封入解説書に記載があるようにメイキング・ドキュメンタリーに日本語字幕ミス有り
※間違いは2箇所で、チャプター14の「サポタージュ」は「逃走迷路」、チャプター24の「疑惑」は「断崖」が正しい。

・プロダクションノート(静止画&文字情報) 本DVDのみに収録※日本語字幕未収録
・キャスト&製作スタッフ紹介(静止画&文字情報) 本DVDのみに収録※日本語字幕未収録
・オリジナル劇場予告編(6分29秒 ヒッチコック案内バージョン)
・リバイバル上映用予告編(1分48秒)※日本語字幕未収録
・公開時のニュース映像(7分44秒)※日本語字幕未収録
・シャワーシーン比較(音楽あり/なし 2分29秒)
・サイコアーカイブ※宣伝用写真多数収録
・プロダクションフォト 
・撮影現場フォト
・ソール・バスによるシャワーシーンのストーリーボード
・ロビーカード
・ポスター&広告

<国内再発盤DVD>
国内ジュエルケース版(SUD-30356)をトールケース版に変更し、ピクチャーディスク仕様にリニューアルした期間限定生産廉価盤DVD。本編映像、特典内容はジュエルケース版とまったく同じ。対訳付解説書もジュエルケース版のものをそのまま封入。
※日本語吹替未収録
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●国内再々発盤DVD
2003年4月25日
ユニバーサル・ピクチャーズ・
ジャパン<UJLD-30356>
上記国内再発盤(BUD-30356)のジャケットリニューアルのみで、本編映像、特典内容は上記ジュエルケース、トールケース版とまったく同じ。
※日本語吹替未収録
ヒッチコック・プライス・キャンペーンとしてヒッチコック・コレクション14タイトルを統一ジャケットで再リリースした期間限定生産廉価盤DVDとなる。

上記ジュエルケース版の解説書から一部抜粋転載したジャケットサイズ6ページ解説書(モノクロ)が封入されているが、「メイキング・オブ・サイコ」の日本語字幕ミスに関しての記載がない。
※間違いは2箇所でチャプター14の「サポタージュ」は「逃走迷路」、チャプター24の「疑惑」は「断崖」が正しい。
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●サイコ・コレクション I-IV
2004年1月30日
ユニバーサル・ピクチャーズ・
ジャパン
<UJSD-01306>
第1作に日本語吹替音声(新録※ビデオ版吹替音声)を初収録し、シリーズ第2作〜第4作をBOXセット化。
2作目以降は、「サイコ」シリーズというより「ノーマン・ベイツ」シリーズとなってしまったが、演じるはもちろんアンソニー・パーキンス。
「サイコ」第1作のノーマン・ベイツのイメージを払拭する事ができず、その後の俳優人生にも暗い影を落とす事となるが、再びベイツ役に戻り迫真の演技を見せる。
サイコ2 PSYCHO II
本編107分56秒 テレビサイズ(1.33:1)収録 チャプター付
音声:英語5.1ch・スペイン語5.1ch収録
字幕:日本語・英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・タイ語字幕収録
1983年 リチャード・フランクリン監督作品
第1作から23年後に製作された続編。 ヒッチコックは1980年4月29日に死去しているため、関与していない。
「処刑教室」(1982)の脚本、後に「フライトナイト」(1985) ・「チャイルド・プレイ」(1988)の監督脚本を手懸けるトム・ホランドが脚本を担当。

前作のシャワールームの惨劇を冒頭に挿入。 モーテル裏の小高い丘に建つ屋敷にカメラがパンして、モノクロ映像が徐々にカラー映像に変わっていくクレジットタイトルはヒッチコックばりのカメラワークで、かなり出来が良い。 物語は「サイコ」公開からほぼ同じ年月を経た22年後の設定。心神喪失で責任能力なしと判断されたノーマン・ベイツが釈放され、忌まわしきベイツ・モーテルに帰ってくる事から始まる。

22年後ではあるがストーリー的には完全な続編で、マリオン・クレイン(ジャネット・リー)の妹ライラ・クレインを演じたヴェラ・マイルズが同役で再出演。マリオン・クレインの恋人だったサム・リーミスは離婚しライラと再婚。サム・リーミスはすでに死去しているという、サイコの後日談的な要素も含んでいる。
ドアノブに写るノーマンの若き日の幻影はアンソニー・パーキンスの実の息子オズ。
監督のリチャード・フランクリンはレストランの客、脚本のトム・ホランドは保安官助手として出演しているようだが、ヒッチコックと違って顔が知られていないのでよくわからない。

犯罪者の社会復帰、心神喪失による無罪といった社会的にも関心の高いテーマを扱いつつ、意外な展開もあり、娯楽作品としては楽しめる仕上がりにはなっている。 ただ、ノーマン・ベイツの出生に関わる終盤の展開は、あまりにも唐突で強引。 スコップによる殺人もホラー的でらしくない。効果音含めておもいっきりストライクなのもちょっと笑える。
サイコ3 怨霊の囁き PSYCHO III
本編78分50秒(ジャケット表記は89分だがPALマスターのためと思われる)
ノンスクイーズ・ビスタ(1.85:1)収録チャプター付
音声:英語5.1ch・スペイン語5.1ch収録
字幕:日本語・英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・タイ語字幕収録
1986年作品。 アンソニー・パーキンスが監督・主演を兼ねたシリーズ第3作。
前作PART2から1カ月後の話となる。
ノーマン・ベイツの前に修道院を追われた娘モーリーンが現れる。
ノーマンはモーリーンにマリオン・クレインの面影をみつけ狼狽するが、やがてモーリーンに好意を寄せる。 そんなノーマン・ベイツに、母親の嫉妬による殺意が頭をもたげるのは時間の問題だった。
そして、異常犯罪者の社会復帰について調べる雑誌記者のトレーシーは、ノーマン・ベイツの隠された真実を突き止めベイツの屋敷を訪れるが…。

モーリーンに好意を寄せるノーマン・ベイツ、殺せとせまるノーマン・ベイツの心にいる母親。狂気と理性の狭間に揺れるノーマン・ベイツの不安感、焦燥感、いらだちをアンソニー・パーキンスが好演している。 繰り返される殺人シーンもより残酷性が増し、見所のひとつにはなっている。(保安官が血の混じった氷をほおばるシーンは妙にドキドキする)

だが、神に仕える身ながら自殺を図り、止めようとしたシスターが事故で死んでしまうという悲劇的な過去をもつモーリーンの設定がそれほど物語に活きているとも思えず、ロック歌手志望の流れ者ドゥウエイン(ジェフ・フェイヒー)の役どころもイマイチつかめない (当初の構想ではドゥウエインが犯人だったようだ) 。
前作で明かされたノーマン・ベイツの出生の秘密が、さらに覆されるという展開もとりとめなく、全体的に物語がわかりにくい。

ようやく母親から解放されたかと思わせるが、実は… というエンディングも予想を超えるレベルのものでもない。 もはやアンソニー・パーキンスの怪演とベイツ・モーテルというシチュエーションのみで成り立っている映画といってもよい。
サイコ4 PSYCHO IV THE BIGINNING
本編92分06秒 テレビサイズ(1.33:1)収録 チャプター付
音声:英語5.1ch・スペイン語5.1ch収録
字幕:日本語・英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・タイ語字幕収録
前二作より画像が良い。
1990年 ミック・ギャリス監督作品。テレビ映画として製作されたシリーズ第4作にして(現時点での)最終作。
前作から4年後。ノーマン・ベイツは精神療法と社会復帰プログラムの施設へ入れられ、知り合った心理学者と結婚し、今では彼女の家に住んでいる。
複数の殺人を犯し、しかも再犯。それでも4年後には仮釈放されているというイージーな設定だが、今さらそんな事に突っ込んでも仕方がない。

"母親殺し"をテーマとしたリスナー参加型のラジオ番組「シティ・トーク」に1本の電話が入る(午後8時40分過ぎで深夜放送ではない)。
電話の主はずいぶん昔に母親を殺したと言い、今また殺人を犯すつもりだとも告白する。
その男はノーマン・ベイツ、彼は躊躇しながらも自分の過去について語り始めるのだった。 そして、物語は回想形式で進行していく…。

いかにしてノーマン・ベイツが狂人になったかを描くビギニング物。第一作のラストでノーマン・ベイツの症状を分析した精神科医が、ノーマンの心にいる母親から聞いた話として語った内容を映像化したものとなるが、いざ映像にして見せられると、なんとも興ざめする。
言葉のみで語られていた時の薄気味悪さは皆無で、想像する恐怖を奪われてしまったつまらなさを大いに感じる。
さらに後半ではノーマン・ベイツが告白した殺人についての顛末が描かれるが、テレビ映画らしくずいぶんアッサリと終わってしまう。
ベイツ自らの放火により燃えつきたベイツ家。アンソニー・パーキンスは本作公開から約2年後の1992年9月12日、エイズのため死去。
映画は伏線めいたエンディングで終わるが、これでひとまずシリーズ終了となる。

本作で印象に残るのは、映画の出来よりもそのキャスティング。若き日のノーマンを「E.T.」でエリオット少年を演じたヘンリー・トーマス(当時19歳)。異常で病的な母親役をオリヴィア・ハッセー(当時39歳)が演じている。 また、ラジオ局のディレクターとして「ブルース・ブラザース」「狼男アメリカン」、マイケル・ジャクソン「スリラー」の監督ジョン・ランディスも特別出演。
大人になったヘンリー・トーマスを見ることが出来る数少ない映画のひとつで、 「E.T.」のファンならばそれなりの価値はある。

いずれもヒッチコックの偉大さをあらためて偲ぶシリーズ3作であった。(2010.02.06)
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●国内盤DVD
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン<UJGD-30356>
2004年7月7日 1枚買って1枚もらえる第2弾(写真左)
※リバーシブルジャケット仕様版
2004年11月26日 1枚買って1枚もらえる第4弾(写真右)
※帯版
本編映像は初盤と同じノンスクイーズ ビスタ(1.85:1)仕様のままだが、メニュー画面等がデザインリニューアルされ、特典映像内の日本語字幕が未収録だった部分にも新たに日本語字幕が付加。
サイコ・コレクションとしてセット化されていた第1作をピクチャーディスク化し単品盤としてリリースしたものとなる。

上記サイコ・コレクション封入のディスクとは、ピクチャーディスクになった以外はメニュー画面含めて本編・特典映像とも同内容。 チャプター付。
音声:
日本語吹替(2.0chモノラル)・英語(2.0chモノラル)収録
字幕:日本語・英語・中国語・韓国語・タイ語字幕収録

【ビデオ版吹替音声】
ノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)…辻谷耕史/マリオン・クレーン(ジャネット・リー)…佐々木優子/ライラ・クレーン((ヴェラ・マイルズ)…相沢恵子/サム・リーミス(ジョン・ギャヴィン)…小山力也/ミルトン・アーボガスト(マーティン・バルサム)…有本欽隆/アル・チェンバーズ(ジョン・マッキンタイア)…飯塚昭三
■特典映像
・メイキング・オブ・サイコ(94分12秒)
カラーライズされたヒッチコック本人の映像から始まるメイキングドキュメント。ヒッチコックの私設助手ペギー・ロバートソン、作家/映画製作者クライブ・バーカー、脚本ジョゼフ・ステファーノ、キャロライン役でも出演しているヒッチコックの娘パット・ヒッチコック、助監督ヒルトン・グリーン、マリオン役のジャネット・リーらが当時の製作状況を振り返るドキュメント。
※初盤にあった日語字幕ミスは修正されている。
<以下一部>
-配給はパラマウントで撮影はユニバーサルスタジオだった。
-ソウル・バスはシャワーシーンの絵コンテは書いたが、本作のどのシーンも演出していない。
-映画史上初めて浴室のトイレを映し、流すシーンまで撮った映画である。
-ユニバーサル・スタジオ・見学ツアー(アメリカ)でヒッチコックがジャネット・リーに冷水を浴びせて叫ばせたとナレーションされているのはウソ。
-ノーマンの母親役を探しているというウソの情報を流し秘密を守ろうとした所、エージェントから多数の応募があった。
-ノーマン・ベイツがマリオンの部屋を覗くシーンの一部が検閲に引っかかり削除されたが、本ドキュメンタリー内にCensored Scene として収録されている。
-ノーマン・ベイツの顔に、ミイラ化した母親の顔をオーバーラップさせるエンディングの恐怖演出は公開当時話題となった。
・シャワーシーン比較(音楽あり/なし 2分29秒)
・公開時のニュース映像(7分44秒)
※スペシャルコレクションLD(PILF-2706)・初盤DVD(SUD-30356)では日本語字幕未収録(対訳ブックレット封入)だったが、新たに日本語字幕が付加。
-“「サイコ」ご鑑賞の方へお願い”として上映規則を報じる、宣伝キャンペーンをかねたニュース映像。
“ルールは守ってください。 「サイコ」は最初から観なくてはいけません。上映開始後の入場は固くお断りします。どなたであっても入場できません。支配人の兄弟、合衆国の大統領でも英国の女王陛下であろうと”
先行公開前にヒッチコック自身が大々的にキャンペーンを行った結果、観客の興味をそそり劇場前には長蛇の列ができ映画は大ヒットとなった。
・サイコアーカイブ(プロダクションフォト)
※スペシャルコレクション盤LD、上記国内盤DVD(SUD-30356、BUD-30356、UJLD-30356)収録のサイコ・アーカイブそのままではなく、背景画像やオープニングなど若干編集を施しているが、収録内容は同じ。
-プロダクションフォト(44枚)
-撮影現場フォト(47枚)
-宣伝用写真(99枚)
・プロダクションスケッチ
※上記同様、スペシャルコレクション盤LD、上記国内盤DVD(SUD-30356、BUD-30356、UJLD-30356)収録のサイコ・アーカイブそのままではなく、背景画像やオープニングなど若干編集を施しているが、収録内容は同じ。
-ソール・バスによるシャワーシーンのストーリーボード
-ロビーカード(8枚)
-ポスター&広告(12枚)
・予告編集
-ヒッチコック・コレクション(1分09秒)
-オリジナル劇場予告編(6分29秒 ヒッチコック案内バージョン)
※本編撮影終了1週間後に、緊張感から開放されたスタッフが同じセットに再度集まり、1日かけて楽しく撮影したという撮り下ろしのオリジナル劇場予告編。ヒッチコックが犯罪現場をナビゲーションするというユニークな設定で予告編の傑作ともいわれている。
-リバイバル上映用予告編(1分48秒)※新たに日本語字幕が収録。
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●国内盤DVD スペシャル・エディション 2枚組
2005年12月23日
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン<UNED-25710>
・初回限定封入特典アートカード入り

【ディスク1】本編&特典ディスク

上記国内盤DVD<UJGD-30356>とメニュー画面含め本編・特典映像とも同内容。

【ディスク2】ボーナスディスク(新特典映像)
※現在、国内盤では本DVDのみに収録されている特典映像となる(2012年7月現在)。
・AFI受賞式にてアルフレッド・ヒッチコックへの賛辞(15分05秒)
-1979年3月7日、アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI年)より功労賞を贈られた際の授賞パーティの様子を納めた映像。 もらったトロフィーを懐に入れようとするヒッチコックのお茶目な仕草で有名な映像がこれだ。
前年受賞者のヘンリー・フォンダを初め、イングリッド・バーグマン、ジェームズ・スチュアートらの賛辞スピーチ。そして会場には著名人がズラリと顔を並べ、ケイリー・グラント、アンソニー・パーキンスらの姿も見られる。当時80歳、終始無表情のヒッチコック監督のユーモアたっぷりのスピーチが素晴らしい。
15分という短い映像だが、ファンにとっては貴重でたまらない映像だ。
・シネマの巨匠(33分38秒)
-「MASTERS OF CINEMA」というインタビュー番組で自身の映画創作活動に関して答えるヒッチコックの映像。
・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン広告(36秒)
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Blu-ray GALLERY
●英国盤ブルーレイ[Blu-ray]
スティールケース仕様限定版
50TH ANNIVERSARY SPECIAL EDITION
2010年8月9日 UNIVERSAL PICTURES UK<827 863 5>

HDリマスター版ブルーレイ、「サイコ」初の1080p フルフレームサイズ(1.85:1)でのリリース。
ユニバーサル・ピクチャーズ世界共通仕様盤で日本語吹替音声、日本語字幕収録。もちろん国内のブルーレイ・プレイヤーでも再生可能(リージョンA・B・C)。
英国盤ブルーレイは通常版とスティールケース仕様(限定版)の2種類でリリース。

2010年5月5日 NHK BS Hi-Visionにて放送されたマスターとはまったく違うピカピカの高画質HDリマスター版。
ブルーレイの高解像度ゆえの高精細は、オスカー候補にもなったジョン・L・ラッセルのモノクロ撮影、白と黒のコントラストが映える夜間シーンも忠実に再現。
そして、圧倒的な映像表現力によるその質感と奥行き。原版の保存状態もよほど良いのだろう、現時点では限りなくフィルムに近い最高画質のソフトといえよう。

初期メニュー画面で、メニュー画面の文字(日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、デンマーク語、ノルウェー語、フィンランド語、ギリシア語、ポルトガル語、広東語、中国語、韓国語、スウェーデン語)を選択可能。

■本編映像
・映像/本編オリジナル108分51秒 1080p High-Definition Full Frame 1.85:1
・音声/日本語吹替(2.0chモノラル)、英語(2.0chモノラル)、英語DTS-HD Master Audio 5.1ch※初収録、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語収録
・字幕/日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、デンマーク語、ノルウェー語、フィンランド語、ギリシア語、ポルトガル語、広東語、中国語、韓国語、スウェーデン語収録
【日本語吹替音声(ビデオ版)】※DVD収録と同じ
→吹替キャストは上記国内盤DVD(UJGD-30356)参照
・マイ・シーンズ ※お気に入りのシーンをブックマークして再生可能
・ポップアップメニュー、チャプターリスト、メニュー画面のボタン効果音有り無し選択可能

■特典映像
・メイキング・オブ「サイコ」(94分13秒) ※DVD(UJGD-30356)収録と同内容でSD画質だが字幕はクッキリと表示されて見やすくなっている。
→上記国内盤DVD(UJGD-30356)参照
・巨匠 ヒッチコック:後世への影響 IN THE MASTER'S SHADOW: HITCHOCK'S LEGACY (25分58秒※ビスタ)※初収録【SD画質】
ヒッチコック作品が後の映画作家に与えた影響を各映画人が語るドキュメント。「北北西に進路を取れ」ブルーレイの特典映像に収録されているドキュメンタリー「ヒッチコック・スタイル」と演出が同じ。また、コメントしているウィリアム・フリードキン、ジョン・カーペンター、マーティン・スコセッシらの部屋の背景も同じなので、同時期(2009年)に製作されたものと思われる。
→「北北西に進路を取れ」ブルーレイの特典映像はこちら
・トリュフォーによるヒッチコックへのインタビュー HITCHOCK/TRUFFAUT INTERVIEWS(15分20秒)※初収録
映画監督フランソワ・トリュフォーが(通訳を介して)、ヒッチコックに「サイコ」について訊くインタビュー音声収録。(映像は本編ハイライトとなる)
・公開時のニュース映像(7分44秒) ※DVD(UJGD-30356)収録と同内容、SD画質(※字幕クッキリ)
→上記国内盤DVD(UJGD-30356)参照

・シャワーシーン比較(音楽あり/なし 2分29秒)
・シャワー・シーン:ソウル・バスによる絵コンテ
・プロダクションフォト(※サイコアーカイブ)
※スペシャルコレクションLDの特典映像(静止画)から新たに収録し直したためだろう、トップ画面の右下にコマ送り用の「STEP」表示が残ったままになっている。もちろんこの画面上でリモコンのどのボタンを押しても何の反応もない無用のものとなる。
・ポスター&広告
・ロビーカード
・撮影風景
・宣伝写真

※上記「シャワーシーン比較」から「宣伝写真」まではスペシャルコレクション盤LD、国内盤DVD(SUD-30356、BUD-30356、UJLD-30356)収録のサイコアーカイブとほぼ同内容。
・最新技術と迫力のサウンド(9分57秒※ビスタ)※初収録【HD画質】
オリジナルモノラル音声からどのように、DTS-HD Master Audio 5.1ch音声へリミックスしたのか、その過程を、担当したオーディオ・ナミックス社の技術スタッフが語る。
※新5.1ch音声は、確かにやり過ぎとも思えるぐらい迫力がある。

・劇場用オリジナル予告編 ※DVD収録と同じ「ヒッチコック案内バージョン」【SD画質】(※字幕クッキリ)
・再公開時(リバイバル)予告編(1分48秒)※DVD(UJGD-30356)収録と同内容【SD画質】(※字幕クッキリ)
・ヒッチコック劇場「兇器」(26分08秒)※特典映像としては初収録【SD画質】
TVシリーズ ヒッチコック劇場 第106話「兇器 LAMB TO THE SLAUGHTER」フル収録。ロアルド・ダール原作・脚本、ヒッチコック自身が監督した1958年の作品。同年「めまい」に出演していたバーバラ・ベル・ゲデスが主婦役で登場。犯行に使った兇器をどのように処分するかをブラックに描いた一編。
一見、献身的な主婦が無邪気かつ不気味に笑うラストシーンのカメラアングルは、「サイコ」のエンディングの原形となったともいわれ、ヒッチコック劇場の中でも傑作「バアン!もう死んだ」と並んで知名度が高い。 ちなみに、2003年4月25日にDVDリリースされた「ヒッチコック劇場 第二集」に本作「兇器」は収録されている。

・スティーブン・レベロ(「アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ」著者)による本編音声解説※初収録
本ディスクの特典として新たに作られた音声解説のようだが、鏡の意味、ヒッチッコックの警官(権力)嫌い、ヒッチコックとパーキンスら役者との位置関係、チェンバース保安官を演じたジョン・マッキンタイアの奥さんがベイツの母親の声を演じた一人ジャネット・ノーランだったという裏話、今では説明くさいと批判される精神分析医がノーマンについて長々と説明するラストシークエンスのヒッチコックの意図など、興味深い話も多い。

※ヒッチコック・コレクション予告編(1分09秒)、およびスペシャル・エディションDVD2枚組(UNED-25710)の特典ディスク内に収録されている「AFI受賞式にてアルフレッド・ヒッチコックへの賛辞」(15分05秒)と「シネマの巨匠」(33分38秒)は未収録。

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●国内初盤ブルーレイ&DVDセット
2010年10月22日
ジェネオン・ユニバーサル<GNXF-1124>
本編・特典映像とも上記英国盤ブルーレイ<827 863 5>と同内容の国内盤ブルーレイ。
ただし、上記英国盤ブルーレイ収録の特典映像「プロダクションフォト」のトップ画面右下に残っていた「STEP」表示が、本国内盤ブルーレイでは消されている。英国盤ブルーレイ発売後に誤りに気付き、すぐに修正されたのだろう。

また、カップリングされているDVDは、上記国内盤DVD<UJGD-30356><UNED-25710>とメニュー画面含め本編・特典映像、型番ともに同内容・同仕様となる。
よって下記特典映像がブルーレイ、DVDともにダブって収録されている。
・メイキング・オブ「サイコ」
・シャワーシーン比較
・公開時のニュース映像
・サイコアーカイブ(プロダクションフォト)
・プロダクションスケッチ
・予告編集


※ヒッチコック・コレクション予告篇(1分09秒)はDVDのみに収録されてる特典映像。
また、上記国内スペシャル・エディションDVD2枚組(UNED-25710)の特典ディスク「AFI受賞式にてアルフレッド・ヒッチコックへの賛辞」(15分05秒)と「シネマの巨匠」(33分38秒)はブルーレイ、DVDともに未収録となる。
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●米国盤ブルーレイ
PSYCHO
50TH ANNIVERSARY EDITION
2010年10月19日
UNIVERSAL<61112067>
本編・特典映像とも上記英国盤<827 863 5>・国内盤<GNXF-1124>とほぼ同仕様となる米国盤ブルーレイ。
※国内でも再生可能なコードA。
ゴシックホラー調のジャケットが渋い。

●下記は主な相違点
初期画面で国別の文字選択メニューがなく英語版のみとなる。
メインムービングメニューがセピア色に着色され、編集カットが微妙に違う。

■本編映像
・音声/英語DTS-HD Master Audio 5.1ch、英語(2.0chモノラル)、フランス語(2.0chモノラル)のみ収録
・字幕/難聴者向け英語、スペイン語、フランス語のみ収録

■特典映像
・ヒッチコック劇場「兇器」は権利関係から未収録
・The Psycho Archives サイコアーカイブ

※英国盤ブルーレイ、国内盤ブルーレイ(DVD)では「プロダクションフォト」というタイトルにて同内容のものが収録されている。
トップ画面右下のコマ送り用の「STEP」表示が消されている国内盤ブルーレイと同じ修正後のものとなる。
・追加特典映像や追加字幕のダウンロードが出来るBD LIVE機能付き
※メインメニューには視聴中トリビア的英語テロップが表示されるTICKER(ティッカー)機能のON・OFF表示があるが、BD-LIVE専用の機能のようだ。
→LD・DVDトリミング画角比較はこちら
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