●SF & HORROR SF・ホラー
 
暗闇にベルが鳴る
●暗闇にベルが鳴る デラックス版
国内盤DVD【国内未LD化作品】 2005年1月26日
ジェネオン エンタテインメント<GNBF-1056>
1974年 ボブ・クラーク監督作品 Black Christmas
本編97分39秒 スタンダード(1.37:1)収録(撮影サイズ)
チャプターメニュー、キャスト/スタッフ紹介(静止画文字情報) 日本語字幕(日本語吹替音声未収録)

国内盤LDは結局未発売のまま、国内初ディスク化となった。
オリビア・ハッセー、「2001年宇宙の旅」のケア・デュリア、「燃えドラ」のジョン・サクソンら出演。

姿無き殺人者の目線で画面が動く演出など、後の「ハロウィン」や「13金」に与えた影響は大きい。
音楽「ホワイト・クリスマス」が効果的で、レッドへリング(ドンデン返し)的な意味深なエンディングも後をひく。
清楚で上品なイメージのオリビア・ハッセーが怯えるさまこそ、スリラー映画の醍醐味。ボブ・クラーク監督はもっと評価されて然るべきであろう。

ただ、間抜けな警官、(日本人には?)意味不明なジョークなど不要とも思えるシークエンスが目立つ。ホラー映画の一代ムーブメントをわずかな所で起こせなかったのは、そのあたりのショッカー演出の中途半端さにあったのかもしれない。

特典映像収録のドキュメンタリー映像内にて、バーブ(マーゴッド・キダー)が警察官に話す電話番号の下ネタのジョークをアート・ヒンドルーが説明するが、説明されてもさっぱりわからない。
■特典映像
−ドキュメンタリ−映像
「暗闇にベルが鳴る」再訪(36分22秒)
Black Christmas Rivisted 2002年製作スタンダードサイズ収録

※屋根裏で殺されたクレア役のリン・グリフィン、クリス役のアート・ヒンドルーが、撮影場所となったカナダのトロントにある屋敷を再訪。製作ゲリー・アルベイド、監督/製作ボブ・クラークらのインタビューを交えながら、当時の撮影を振り返る。

−オリジナル劇場予告編
(4分07秒)
−TVスポット 60秒 30秒 10秒
−ラジオスポット 60秒 10秒
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コードフリー 本編97分38秒版 スタンダード(1.37:1)サイズ収録(撮影サイズ)

国内盤DVDは本DVDマスターと同一だが、本編冒頭にFILM FUNDING In Association With VISION IV Presents のクレジット表記あり(国内盤ではカット)。
※ちなみに米国再発盤DVDはトリミングビスタ(ノンスクイーズ)仕様に変更されている。

−チャプターメニュー
−FILMOGRAPHIES(出演者5人のフィルモグラフィー)
−ジョン・サクソンへの単独インタビュー収録3分10秒。
− オリジナル劇場予告編4分12秒
※国内盤収録のものと同じ
●BLACK CHRTSTMAS
米国盤DVD 2001年12月4日
CRiTiCAL MASS/Video Service Corp.<VSC1269>
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夕暮れにベルが鳴る

1980年 フレッド・ウォルトン監督作品
WHEN A STRANGER CALLS


スタンダードサイズ収録 98分
画質は粗く暗いが、現在国内未DVD化作品となる。

1980年アヴォリアッツ国際恐怖映画祭審査員特別賞受賞
続編も製作された。

●夕暮れにベルが鳴る
国内盤LD 【未DVD化作品】
1986年10月10日
東映<TE-D132> 解説書未封入
邦題が「夕暮れ」と「暗闇」でまぎらわしいが、本作「夕暮れにベルが鳴る」の方が後に作られた。

大きくは三部構成に分かれ、第一部ともいうべきプロローグはアメリカの有名な都市伝説が元ネタ。
神経を逆撫でするように突然鳴り響く電話。
2階で寝ている子供の様子を見ろと、執拗に迫る電話の主は?ジワジワと不安にかられ恐怖におびえていくベビーシッターのジル(キャロル・ケイン)。
もはやホラー、サスペンス映画にはなくてはならない小道具の王様、電話を巧みに使った恐怖演出が冴える。

中間のパートはプロローグから7年後。精神病院を脱け出した異常者が起こすストーカー行為。
ただ話し相手になってほしいだけという男の訴えも薄気味悪いが、狙われた相手というのが「デッドゾーン」で連続殺人事件の犯人の母親役を演じたコリーン・デューハースト。
このレベルならOKだろうと考えたのか、あの恐そうなオバサンというのがまたリアル。

人とうまく関われず、社会からドロップアウトした男の行き着いた先。そこには深く暗い闇が広がるだけの暗黒の世界。公衆トイレで素っ裸になり、鏡に写した我が身を見て泣き伏す姿が奇異。

そしてエピローグ。結婚し二人の子供を持ったジルが再びトラウマともいうべき恐怖に襲われる。
一見普通のオッサン、実は狂人というのが一番恐ろしい。

国内劇場公開時にポスター等で使われた素材を流用した「プレイボーイ」風のジャケット。これはかなりのミスマッチ。
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ザッツ・ショック 恐怖映画大全集
●ザッツ・ショック 恐怖映画大全集
国内盤LD【未DVD化作品】 1985年10月25日
松竹<SF098-5066>
1984年劇場公開作品 ビスタサイズ収録

ホラー・サスペンス映画の名シーンが次から次へと登場するマニア向けCAV盤LD。
登場作品タイトル、ホラー・サスペンス映画75本が全て分かったらかなりのもの。

「ハロウィン」「大脱走」のドナルド・プレザンス、「殺しのドレス」「ロボコップ」のナンシー・アレンをナビゲート役に恐怖映画のスペシャルフルコース体験!
「夕暮れにベルが鳴る」もしっかりと紹介されている。
見開き中面ジャケットにフレームサーチできるマニアックな作品分析表付。当時の松竹LDラインナップ封入。
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カミング・ス−ン 懐かしのホラー映画予告篇集
●カミング・ス−ン 懐かしのホラー映画予告篇集
国内盤LD【未DVD化作品】 1985年11月10日
パイオニア<SF078-0118>
ユニバーサルホラー映画の予告篇集。

オープニングには「キングコング対ゴジラ」アメリカ公開時の特報Teaser予告篇(約1分)収録。

チャプター付、解説書封入。ユニバーサルホラー映画の資料としても貴重。三角帯付。
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スウィートホーム

1989年1月21日の映画公開後、しばらくしてソフト化されたが、その印税をめぐり脚本・監督の黒沢清と伊丹プロダクションが対立。

裁判沙汰にまでなり、以後、陽の目を見る事のない封印作品となってしまった。

映画製作の発端は黒沢清が自らの脚本「心霊−サイキック」の映画化のため二千万円程の資金援助を伊丹十三に求めた事から始まる。

伊丹十三はこの脚本を気に入り、自主製作映画のレベルではなく、メジャー会社の配給の元で本格的なホラー映画としての製作を計画。黒沢清もこれを受け、伊丹十三製作総指揮の元、映画を監督する事となった。

●スウィートホーム
国内盤LD【未DVD化作品】
1989年11月21日 東宝<TLL2148> 102分
劇場公開ビスタサイズ(1.5:1)収録

しかし、「ポルターガイスト」のスピルバーグとトビー・フーパーの関係よろしく、その作風の違いから、伊丹十三と黒沢清との間にも微妙なすれ違いが生じてしまった。
伊丹十三は、見かねて口を出したというような発言をしているが、出来上がった映画は、かなり伊丹十三色の強いものだった。
映画的には「ポルターガイスト」や「ヘルハウス」といった洋風の怪奇屋敷物を日本風にアレンジしたもので、和製ホラーの新境地を開いた「リング」や「呪怨」とは明らかに違う、ハリウッドの匂いを感じさせるホラー映画となる。

そして話題となったのが、特殊メイクアップアーティストの御大ディック・スミスをアメリカから呼び寄せ、SFX総指揮を依頼した事だった。
しかし、ディック・スミスは「エクソシスト」「ゴッドファーザー」「アマデウス」などで有名なその道のパイオニアではあったが、本作製作時の1988年からさかのぼる事7年前の1981年には、すでにその弟子リック・ベイカーが「狼男アメリカン」。孫弟子ロブ・ボッティンが「ハウリング」と1982年の「遊星からの物体X」の特殊メイクを手掛け本場ハリウッドに衝撃を与えている(ちなみにクリス・ウェイラスがアカデミー賞の特殊メイクアップ賞に輝いた「ザ・フライ」は1986年の作品→※「ザ・フライ」詳細はこちら)。
そう、彼はすでに最盛期を過ぎた人だったのだ。
また、だからこそ、日本での仕事を引き受けたともいえるのだが、伊丹十三の老人メイクや本作の売りであった体が溶けていくシーンなどのSFXは、やはり一昔前のものという印象は歪めなかった。
そして、そもそもディック・スミスは監修だけで、実際にはエディ・ヤンという十九歳の少年が現場を担当したものであった…。

が、それはそれとして、映画的には見るべき部分も多い。
愛する我が子を失った母親の狂おしくも悲しい愛。事故とはいえ、自ら我が子を殺めてしまった自分を責め、後悔する日々の果てにたどりついた狂気の結論こそが、この映画の恐怖。
気味の悪いフレスコ画や、コッポラの「ドラキュラ」のような迫りくる影の演出、間宮夫人の死霊など当時の国産ホラー映画の中では群を抜いた恐怖描写といえる。
そして、古舘伊知郎の胴体真っ二つ、黒田福美のマサカリ顔面ザックリも、ホラー的にはそれなりの見所といえるだろうが、それを見た東映スター、山城新伍が恐怖の表情で「ハヒー」演技をする事の方がオールドファンにとってはもっと大きな見所だったりもする…(※実際には、山城新伍は撮影中「ハヒー」を何度も言って、そのたびに黒沢監督にダメだしされている)。
間宮夫人のモンスターの衣装製作は辻村ジュサブロー(現寿三郎)。スペシャルビジュアリストとして「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督の名前も見受けられる。

本作を語る上では避けて通れないほど有名な話だが、1996年にカプコンからリリースされたプレステ用のホラーアクションアドベンチャーゲームソフト「バイオハザード」は、1989年に発売された本作「スウィートホーム」の映画をベースとしたゲームソフトを土台として作られたものである。

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テナント 恐怖を借りた男 THE TENANT
1976年 フランス/アメリカ作品 126分
監督・主演ロマン・ポランスキー
国内劇場未公開
※2015年5月13日DVDリリース


アパートを探すトレルフコスキー(ポランスキー)が見つけた空き部屋。そこは、飛び降り自殺を図った娘シモーヌの部屋だった。

娘が死んだら部屋を貸すという家主の条件を知ったトレルフコスキーは、シモーヌの容体を確認するために病院を訪れ、全身を包帯で巻かれ、前歯が欠けた口と片目しか見えない瀕死の状態でベッドに横たわっているシモーヌを見る。


そして、病院で出会ったシモーヌの友達という女ステラ(イザベル・アジャーニ)が声をかけると、ベッドに横たわるシモーヌは何かを訴えようと奇声を発し、やがて死んでいった…
●テナント 恐怖を借りた男 THE TENANT
国内盤LD
1989年4月25日
パイオニアLDC<SF093-1577>
スタンダードサイズ(1.37:1)収録

トレルフコスキーは、死んだ女シモーヌの生活跡の残る部屋に引っ越してくるが、家具が軋む音や水道管の異音。無愛想な管理人、口うるさい家主、些細な物音でも苦情を言う隣人たちに悩まされるようになっていく。
人の顔色ばかり気にする真面目で小心者のトレルフコスキーの心に芽生えた被害者意識は、徐々に大きくなっていくのだ。

窓から見える向かいの共同トイレには、ゴーストのような影が写るという奇妙な事も起き始め、壁には何故か欠けた前歯が埋め込まれていた。
そして、気がつくとタバコや飲み物の嗜好が死んだシモーヌと同じ物に変わり、部屋に残っていたシモーヌの服を身につけ、化粧をし、悦にふける自分がそこにいた。
俺をシモーヌに変えたいのか?住んでいたシモーヌのように自殺させようとしたいのか?
ますます被害妄想を強くしていき、物事をゆがんでとらえてしまうトレルフコスキー。

やがて、現実と妄想の世界を行き来するようになり、どこまでが現実でどこまでが妄想か判断がつかなくなるほど精神を蝕まれていったトレルフコスキーは…。

監督・主演はロマン・ポランスキー。
同じ心の異常を描いたヒッチコックの「サイコ」が、そのはけ口を外へ攻撃的に向けていったのとは対照的に、内へ内へと自らを追い込んでいくポランスキーの閉塞的な感覚は、ナチスドイツ時代にユダヤ人として生まれた彼の生い立ちや、妻シャロン・テートがチャールズ・マンソンのカルト集団に惨殺された事件(1969年8月8日)などにより刻み込まれた、彼自身の内なる世界なのだろうか…。
「これは私自身の物語だから私が演じるのが一番良いと思った」と語るポランスキーの当時の精神バランスを伺い知る由はないが、被害妄想にさいなまれる男を淡々と演じているのが興味深い。
寂しげで切ない音楽はフィリップ・サルド。不安感をつのらせるような寒々とした陰影あるカメラはスべン・ニクビスト。

病院で知り合い、その後も何度か出会う美女ステラは本作の大きな伏線のひとつだが、映画全体に散りばめられた、見返すたびに気がつく伏線も多い。
(※ネタバレOKの方のみドラッグ→)エンディングがオープニングにつながるというエンドレスの展開で、病院で寝ている人物が自分自身となり、すべてが壊れていくトレルフコスキー自身の強迫観念による幻覚なのか、病院で知り合った女ステラも妄想がつくりだした幻なのか、明確な答えをださないまま映画は終わる… (2008.01.27)

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X線の眼を持つ男/"X": THE MAN WITH X-RAY EYES
※国内盤DVD 初回特典ディスク付
2003年5月23日 SPO<OPSD-S120>
※国内版ビデオ
CIC・ビクター・ビデオ
<JHF0118>
※米国盤DVD
2001年6月5日
MGM/UA<1002023>

国内劇場未公開ながら何度かテレビ放映され、B級SFホラーファンの心を魅了した怪作「X線の眼を持つ男」。
監督はロジャー・コーマン。主演はれっきとしたアカデミー賞スターでありながら作品に恵まれず、後年はB級SFホラーばかりに出演していたレイ・ミランド。
DVDジャケット裏の解説にはコーマン監督の最高作と記されているが、オーバーな表現ではなく本作のディスク化を待ち望んでいたSFホラーファンも数多い(はず…)。

本作は1963年、低予算ながら個性的な作品を数多く創りだしたAmerican International Pictures (AIP) により製作された。
(※AIPは、東宝特撮「フランケンシュタイン対地底怪獣」とも関係している)
AIPはその後倒産し、「ターミネーター」「ロボコップ」「羊たちの沈黙」等のヒット作を製作したオライオン映画に権利が移るが、経営危機に陥ったオライオン映画をMGMが買収し、さらにそのMGMもソニーに買収されるなど、その権利関係は煩雑化している。 特にB級系映画の権利関係は散在しているようだが、国内でのMGMの権利がFOXに移る際、本作の権利を新たにエスピーオーが取得。めでたく国内初のディスク化となった。
国内ではオライオン映画に権利があった時期、CIC・ビクター・ビデオよりビデオリリース(Alta Vista Productions)されていたがLDは未発売。

科学的にどうかというヤボな話は抜きにして、服だけ透けて裸が見える描写など、そのいかがわしさはピカイチだが、マッドサイエンティストを演じるレイ・ミランドの哀れを誘う好演が、映画を引き締めている。
88分という尺も秀逸なトワイライトゾーン的短編を見たような印象を覚え、特に映画後半のX線の眼の不気味さとショッキングなラストは忘れがたい。
コーマン監督の徹底した娯楽映画創りの精神は、タランティーノ、ティム・バートン、ポール・ヴァーホーヴェンといった今をときめくハリウッドの監督たちのハートに脈々と息づいている。

DVDのキャスト紹介にはディック・ミラー、タリア・コッポラと記載があるが、見世物小屋の客役で、ジョー・ダンテ作品の名脇役であるディック・ミラーの若かりし姿は見られるが、タリア・コッポラが確認できない。ラストの仮設教会でのオルガン奏者か?
The Internet Movie Database によるとタリア・コッポラの出演歴には本作の記載がないので、ほとんど画面に写らないチョイ役という事だろうか…。

国内盤DVDには初回限定として「ポォ怪奇コレクション」など全14作品の予告編を収録した特典ディスク付。
モノ音声、ビスタスクイーズ収録、日本語字幕付。
特典映像としてオリジナル劇場予告編、キャスト・スタッフ・プロフィール、プロダクション・ノート、ポスターギャラリー収録。
ジャケット裏には本編88分と記載されているが、実際には79分2秒収録の米国盤DVDと同じものとなる。(2003.5.25)

米国盤DVD
Midnite Moviesと称してMGM/UAよりリリースされた米国盤DVD。
リージョンコード1、モノ音声、ビスタスクイーズ収録。オリジナル劇場予告編付。フランス語・スペイン語字幕付。

国内盤DVDの元となった映像だが、米国盤DVDのみの特典として、ロジャー・コーマン監督のオーディオコメンタリーと、アメリカ劇場公開時の貴重なオリジナル劇場プロローグがそのまま収録されている。

約5分程の映像だが、人間の五感に関する能力から、視覚の話、そして能力をより向上させる為、神の領域に近づこうとした男の話として本編を紹介、導入していくというナビゲーター的役割を持った映像だ。

トワイライト・ゾーンのロッド・サーリングや、ヒッチコック劇場のヒッチコックのようなものだろう。本邦初公開の映像ではないだろうか…。(2003.6.6)
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アルゴ探検隊の大冒険

ダイナメーション特撮が全編に冴えわたるハリーハウゼン最高傑作。
SIDE1はCLV、SIDE2・3・4はCAV仕様の2枚組。
フォルムライクな質感を感じる事ができるクライテリオンらしい高画質盤。

DVDとはまったく違う、その映像表現はアナログディスクの最高峰を極めた映像といっても過言ではない。オリジナルのスタンダードサイズで収録されているディスクとしても貴重だ。
このマスターを使用して、是非HDディスクをリリースして欲しい。
(→画像比較コーナー参照)


特典映像がまた凄い。劇中に登場するコウモリ型の怪鳥ハーピーの元となるモーションアニメ映像(1952年の映像で、ハリーハウゼンは永年このコウモリ型の怪鳥の映画化を望んでいた)。
当初のタイトルであった"JASON AND THE GOLDEN FLEECE"バージョンのオープニングタイトル映像。
八岐大蛇のようなハイドラとジェーソンとの戦い、骸骨戦士と人間との戦いそれぞれのメイキング。プロダクションスチール、撮影用小道具スチール、ハリーハウゼン作品オリジナル劇場予告編集などなど…。今でも決して手放せないLDのひとつだ。(2007.7.14)

米国クライテリオン盤LD
1992年 ボイジャー社<160>
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THE SINBAD COLLECTION

1991年ハリーハウゼン、アカデミー賞受賞時のフィルムや、「7回目の冒険」メイキングインタビュー(米国盤DVD収録と同じ)、各作品劇場予告編等収録。
手作り特撮ハリ−ハウゼンの職人芸が3作品分たっぷりと見られる。たとえ動きがカクカクしていようとも、そのワンダーな魅力は今でも決して色褪せる事はない!

ちなみに、原語ではシンドバッドでは無くシンバッドとタイトル化されアラビヤン・ナイトとは違う話という設定になっている。
(→画像比較コーナー参照)

Ray Harryhausen SIGNATURE COLLECTION
1995年 COLUMBIA TRISTAR HOME VIDEO<09916>
・THE 7TH VOYAGE OF SINBAD(シンドバッド7回目の冒険)
・THE GOLDEN VOYAGE OF SINBAD(シンドバッド黄金の航海)
・SINBAD AND THE EYE OF THE TIGER(シンドバッド虎の目大冒険)
3作品収録ボックスセット
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スパイダーマン/SPIDER-MAN TVムービー
●国内盤LD
RCAコロンビア・ピクチャーズ・ビデオ
1986年1月25日<SF078-5085>

マーベル・コミックス社のスタン・リーが脚本、スティーブ・ディッコが作画を担当し、1962年「AMAZING FANTASY #15」にスパイダーマンを発表。たちまち人気となり、その半年後の1963年には「the AMAZING SPIDER-MAN #1」として新たに出版される。

1967年には印象深い(サム・ライミ監督版「スパイダーマン」のエンドクレジットにも流れる)「スパイダーマンのテーマ」にのって30分アニメとしてテレビ初登場(日本でもこのアニメは放送されている)。
その後、現在までに数度アニメ化されるほどの人気ヒーローへと成長していった。

本国内盤LDに収録されている実写版「スパイダーマン」は、1977年9月14日に米国CBSネットワークで放送されたTVムービーで、日本では1978年に劇場公開されている。米国ではなかなか評判が良かったようでシリーズ化され、60分版5本、2時間枠用のスペシャル版7本が製作されている。
E.W.スワックヘイマー監督作品、ピーター・パーカー/スパイダーマンには二コラス・ハモンド、編集長J・ジョナ・ジェイムソンにはデビット・ホワイトが扮している。

誘導催眠を利用して市を脅迫する謎の一味にスパイダーマンが立ち向かうというストーリーは、かなり地味な内容だが、コミックで共感を呼んだダサ男のヒーローというスパイダーマン特有のイメージは良くでている。このあたりのはまり具合がシリーズ化された所以であろうか。

ビルを這い上がるなどの特撮合成シーンは、かなりチープだが、TVムービーという事を考えれば予算的にもこのレベルの特撮が限界なのであろう。
2002年サム・ライミ監督「スパイダーマン」の大ヒットの影響を受け、数少ない実写版のひとつとして記憶される作品となったが、このTVシリーズ版のLDは、1986年2月25日に「スパイダーマン/プルトニウムを追え」(TV邦題スパイダーマン3/プルトニウムを追え)、1986年3月25日に「スパイダーマン/ドラゴンズ・チャレンジ」(TV邦題スパイダーマン2/ドラゴンの挑戦)がリリースされている。

その後、「スパイダーマン」は何度も映画化が企画されるが、その特撮の難しさからか、なかなか実現せずに至った。
そして、遂に2002年、最新のCG技術とサム・ライミ監督のアメコミチックな演出により映画化大ヒット!

ちなみに、日本では同じアメコミヒーロー物の「スーパーマン」や「バットマン」と比べると今ひとつの人気だったが、1970年に池上遼一作画による漫画「スパイダーマン」(月刊少年マガジン連載)、1978年には東京12チャンネルにて実写特撮版「スパイダーマン」が製作放映されている(かなり設定は変わっているが…)。(2002.10.27)

サム・ライミ監督版「スパイダーマン」

原色を多様したカラフルな映像と、オーバーな演出が見事にマッチ。見せ場でもある摩天楼の空中スイングはスピーディでダイナミック。いささかのCG臭さはあるが、これほどの浮遊感と移動感を味わえる映画は記憶に無い。
クモ糸は、両手首につけた「ウェブシューター」という装置により発射するという原作の設定を捨て、自らの肉体から発射するという設定に変更し「バットマン」よりもスピーディさを強調する事に成功している。
ウィレム・デフォー演じる二重人格の悪役、グリーンゴブリンの秀逸なキャラクターデザインも見事。ティム・バートン版ジョーカーにも匹敵する不気味でおかしい希有な悪役キャラクターの登場で、スパイダーマンもグッと引き立つ。
気弱な青年ピーター・パーカーが、スパイダーマンとして正義の為に立ち上がる決心をする前半のエピソードなど、自らの変化に悩む冴えない等身大のヒーローと、行く道を悩む若者のそれぞれの姿をオーバーラップさせるなど、サム・ライミ監督の手腕が光る。

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